おはようございます。

 

 

今朝はこちらの作品から。

映画『エゴイスト』と、その原作小説です。
原作小説は、作者高山真氏の自伝的小説と言われています(2020年没)

 

 

主演の鈴木亮平さんと助演の宮沢氷魚さんは、この作品で、男優賞などを受賞しています。
映画のベッドシーンはかなり・・・なので、苦手な方は原作本をぜひ。

 

【ざっくりネタバレあらすじ】

斉藤浩輔 (鈴木亮平さん)はファッション雑誌の編集者。
育った田舎ではゲイであることを隠していたが、東京では自由に生きることができていた。

ある日、浩輔は、ゲイ仲間に紹介されたパーソナルトレーナーの中村龍太(宮沢冷魚さん)とトレーニングを始める。

龍太は高校を中退し、病気の母を支えながら二人で生活していた。
いつか柔道整復の学校に行くために貯金をしているという。
それで空き時間にパーソナルトレーナーのバイトをいれたのだと。
浩輔は、14歳のときに亡くなった自分の母への想いを重ね、龍太に惹かれるのだった。

やがて二人は交際を始めるが、ある日、龍太が「もう会わない」と言う。
龍太は、本当は身を売って生きているのだが、浩輔と出会ってから「仕事」だと割り切ることが上手くできないのだと。

浩輔は、毎月10万円を応援するから不足分は龍太が働けばよいと提案する。
龍太を独り占めしたかったのだ。

龍太は身を売る仕事を辞め、道路工事のアルバイトを入れるだけ入れた。
「ようやくお袋に本当の仕事を言える」

二人の本当の関係は隠しながらも、龍太の母(阿川佐和子さん)と三人で過ごす時間は幸せに過ぎていた。
けれど、そんな付き合いが3年を過ぎる頃、龍太は母親の世話と仕事で疲れ切っていた。

ある日、母親が起こしにいくと、龍太は布団の中で亡くなっていた。

慟哭しごめんなさいと繰り返す浩輔に、龍太の母親は「私、知ってるから。あなたが龍太を愛してくれていたこと。龍太は、浩輔さんに救ってもらったって。本当にありがとう」

それからも浩輔は、龍太の母親を訪ね交流を続けていたが、龍太の母親が、がんのステージ4であることがわかり入院する。
世話を焼く浩輔と龍太の母親は、本当の親子のようであった。

あの世には、浩輔の本当の母親が待っている。
龍太も待っている。
いつか4人でそろう。
そんな楽しいことが始まるんだと話す浩輔。

『まだ帰らないで・・・』
浩輔は、そう言う「母」の右手を両手で包み込むと、彼女はゆっくりと目を閉じた。

終わり

 

原作にも映画にも、龍太の死因は明確にされていません。
母親が「あの子は体が弱くて・・・」と話すシーンがあり、疲れ切っている龍太のシーンがあるので、過労死なのかもしれません。

 

 

浩輔は、良かれと思ってアレコレと龍太とその母に尽くすのですが、そのことが龍太を追い込んでいるという見方もできます。

 


浩輔は月に10万円を支援するのですが、おそらく、身を売ればもっと稼げたのでしょう。
浩輔は、龍太が亡くなったあとも10万円の支援と同居を申し出ますが、母親はそれらを拒み生活保護を受けています。
 

 

なにが「エゴイスト」なのか、ずーっと考えています。
辞書によるとこんな意味。

「egoist」とは、自己中心的な人、利己主義者を指す英語の単語である。
自身の利益や欲求を最優先に考え、他人の感情や利益を二の次にする人物を表す。
一般的には、他人を顧みず自分だけの利益を追求する行動や態度を持つ人を指す。


現在、販売されている文庫版のあとがきは鈴木亮平さんが書いています。

演ずるにあたって高山氏の人生を辿ったようです。

 

 

あとがきには、4人が楽しく過ごしていること、そしてセクシャリティに悩む人がこの世界からいなくなることを願っている。
その意識の改革、教育の改革の一助に、この原作と映画がなってくれることを願うとありました。

 

 

愛情って、けっこう身勝手なものかもしれません。

 

 

今日もよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

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