おはようございます。
今朝は、こちらの書籍から。
阿部定事件を書いた『二人キリ』です。
阿部定事件を知らない人も増えていると思いますが、当時、定さんが逮捕されたとき、国会が一時中断したほどの騒ぎだったとかなんとか。
「二人キリ」というタイトルは、実際に、定さんが男性の太ももに血文字で書いた言葉からですね。
センセーショナルな事件はこぞってメディア化されましたが、やはり有名なのは大島渚監督の『愛のコリーダ』でしょう。
藤竜也さんと松田瑛子さんが、本当に行為をしている&無修正なので、芸術か猥褻かと裁判まで起きた作品でした。
また、阿部定さんの精神分析が掲載されている書籍も数点存在しています。
今ならどんな分析になるのかなぁ??
面白いと言っては不適切かもしれないけれど、読み応えのある一冊
この作品は三つのパートから成っています。
①主人公が阿部定本人から話を聞くシーン
②定さんの知人にインタビューしたシーン
③定さん本人が語るシーン
作者の村山由佳氏は心理描写が上手い作家なので、どこまで事実でどこから創作なのかと思うくらい。
少なくても私が今まで読んだ本のイメージとは全く異なる一冊でした。
そして、作品には、大島渚監督がモデルと思われる人物も登場しますが、ここでハッと気がつきました。
毎週書いている『不適切にもほどがある』
主演の阿部サダヲさん、芸名の由来は、この阿部定さん。
脚本の宮藤官九郎さんは大島渚監督の作品が好きだと公言していますが、仲里依紗さんの役名は「犬島渚」
こういうネタの仕込みが楽しいですよね。
たまたま書店をぶらついていたら目について「懐かしいテーマだわ」と買った本ですが、日常生活とリンクしていたみたいです。
今日もよろしくお願いします。