いやー、見応えあるメジャーだった。

このPGAチャンピョンシップは、ニュージャージー州ベッドミンスターにあるトランプナショナルGCで開催の予定だったが、2021年1月6日、トランプサポーターの暴徒が大統領選挙の結果を覆そうと国会議事堂に乱入した事件はトランプ前大統領が激励したとして、トランプのコースを使うことはPGAofAmericaのためにならないというので、サザンヒルズCCに変更したもの。

 

ベッドミンスターのトランプナショナルは2017年の全米女子オープンを開催し韓国のサン・ヒュン・パクが優勝。あの細いロングヒッター。ところで彼女は最近優勝から遠ざかり、上位に出てくることもない気がするが、どうしたのだろう?

 

トム・ファジオとその息子がデザインしたトランプナショナルをよく覚えていないが、このサザンヒルズの方がオールドファッションのコースだろうと思う。

覚えてないのに比較もナンだが、私はこのコースの方が絶対良かったと思う。

 

 

誰かが(杉澤さん?)がセカンドショットのコースだと言っていたが、最終日を見たら、明らかにティーショットの位置はかなり重要だと分かる。

グリーンが小さく、傾斜がきついのでティーショットから良い位置に打たないとピンをアタックどころか、グリーンのファットな部分にも置けないじゃないの。こういうコースは最高ですね。

 

あいにくというか好都合にというか、初日から風が吹いて、対応できない者は落ちていった。

今週始まる前、優勝候補ナンバー2だったスコッティー・シェフラーは初日納得いかないといった表情で、ラウンド後練習場に直行していたが、2日目はさらに悪く2打足らずの予選落ち。

(こういうところが今の若いプレーヤーがダメなところ。1ヶ月前のマスーターズ優勝したのが予選落ちだ。)

 

優勝候補ナンバーワンのジョン・ラームも脅威とはならず、最近PGAツァーでたまに上位に出てテレビにも写るようになったミトー・ペーレーラが3日間首位を維持。

どうだろう、彼が優勝する確率は5分5分と見た人が多かったのでは?

ウィル・ザラトリスは優勝を危ぶむ人が多かった、プレッシャーがかかった時の彼のパットだ。DAZNの予選解説の田中泰二郎さんも指摘していたし、週末解説の丸山茂樹さんもザラトリスはアマチュアの時から、パットが難だったと言っていた。みんなよく知ってますね。

 

優勝の経験がないプレーヤーが首位で最終日を迎えると、プレッシャーでいつメルトダウンが始まるだろうと思って見てしまうのが自然だと思う。

ペーレーラは、昨日までと違うのはもちろんだが、16番のパーパットを入れた時に、これは最後まで持つかもしれないと思ったのですが・・最後の最後に酷い展開になった。

17番のドライバーのティーショットも変だった。ラッキーにもグリーン下にボールは止まったが、あれからすでにプレッシャーで普段のスイングが出来なくなっていたのだろう。

18番で、さらにひどくなった。ツァープロがあんなスイングするのは見たことがない。

インタビューで、今日は良いプレーができなかった。18番では(右側の)クリークのことは考えていなかった。ビデオを見て、「あれは悪いスイングだった。プレッシャーがあると、体がいうことを聞かないんでしょう」と言って笑っていた。

 

3ホールプレーオフに行った時点で、ジャスティン・トーマスの勝ちは分かっていたと思う。

この3ホールの選択も良かった。13番パー5、17番短いパー4、18番難しいパー4。

 

今日はリーダーボードは見なかったと言っていたトーマスだが、12番でバーディを取ったときのギャラリーの歓声がそれまでと違った、レベルが違う熱気だったと語っていた。

今日のトーマスはゾーンに入っていたのかもしれない。

最後の10ホールで4つバーディ。一つもスコアを落とさなかった。

 

2017年のPGAチャンピョンシップもそうだった。かなり風があって、グリーンに乗せるのが厳しいコンディションだったが、次々にグリーンを打つトーマスはあの日他と違うゴルフをしていた。

あの年ですね、松山が終わって日本のメディアに聞かれ、タオルで顔を覆って泣いてしゃがんでしまったのは。

ウィル・ザラトリスもミットー・ペーレーリもロッカールームで泣いただろうか・・?

 

トーマスが今日の優勝ではなんで泣いていたのかと聞かれ、「今は本当に勝つのが難しいからだ。層が厚いからね。僕がツァーに出てきた頃よりはるかに難しくなっている。今年だって、良いゴルフをしてきたのに勝てなかった。」

 

以前のベテランキャディーを離れ、フィル・ミケルソンの長年のキャディーだったジム・マッケイ(ボーンズ)と組んでメジャー優勝になった。

マッケイが、トーマスが土曜日74を叩いた後、きつく言ったそうである。「自分に厳しくするのはやめないとダメだよ。」

これはアメリカのテレビ解説者も言っていた、トーマスが優勝から遠ざかっているのは、自分に厳しすぎるからだと。

 

マッケイはしばらくテレビでオンコースレポーターをやっていたが、キャディー業が好きなのでしょうね。

良いプレーヤーについた。

 

優勝スコアが−5とはなんとPGAチャンピョンシップに相応しいことか!

良いコースでタフなコンディション。面白い試合だった。

 

 

 

3日目の後棄権したタイガーだが、今週はマスターズの最初の2日より持久力がついたと言っていたが、痛みは最初から強く出た印象がある。

セント・アンドリュースで開催の全英オープンは、かねて出場すると言っていたが、全米オープンに関しては言及したことがない。出るつもりはないのかもしれない。

今週は記者会見で、知っている限り2回は、「もう何回もプレーできないから、自分の実績があるコースに出場して試合を楽しみたい。大きなイベント(メジャーのこと)が好きなのでね。」と言っていた。

 

体の回復を見て、また決めるでしょう。

引退するのしないのは外野がどうこう言うことではないと思う。

 

ジャスティン・トーマスの最終日ハイライト。

 

 

リーダーボード