社内CASP コホート研究

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今回は初めてのコホート研究です。

 

コホート研究は、エビデンスレベルではランダム化比較試験よりも下に位置します。

そのため、コホート研究は敬遠されがちですが、コホート研究はとても重要な研究です。

 

Six S Pyramid

 

コホート研究の神髄は、人間を観察する上で、これ以上のものはないことです。

総ては観察から始まり、研究が開始します。

EBMの歴史は、長いコホート研究の上で成り立っており、

現在の医学の常識のほとんどがコホート研究の成果です。

 

ただ、コホート研究は、解釈に少し知識と経験が必要です。

例えば、肺がん発生率とコーヒーの摂取量には、相関があるというコホート研究がありました。

ここで重要なのは、この研究から、

肺がんにならないために、コーヒーの摂取を控えるべきだ!と、

判断してはいけないことです。

理由は、コーヒーの摂取量と喫煙に相関があるという背景があるからです。

大きな集団を見たとき、肺がんとコーヒーに相関があったことと、

コーヒーが肺がんのリスク因子になっていることは別問題なのです。

 

隠れている背景もひっくるめてのコホート研究です。

ちょっと慣れるまで時間がかかるかも知れませんね。

 

で、今回は栄養学のコホート研究を読みました。

栄養学の研究は、ほとんどがコホート研究になります。

今回の論文は、Japan Public Health Center (JPHC)の研究です。

3つの食事パターン「健康型」、「欧米型」、「伝統型」で死亡リスクを研究しております。

結果は、このようになります。

264_1 264_2

グラフ中のQ1からQ4は、食事パターンの傾向の強さを示しております。

Q4ほど、その食事パターンの傾向が強いグループの人たちで構成されています。

これらの結果から、欧米型の食事をとっている人たちだけが、死亡リスクが高いというわけではないということです。

だからと言って、肉、脂ばかりを食べて、野菜を取らなくても、死亡リスクには関係がないと言うわけではないんです。

難しいですが、これは集団を観察した結果です。

データはいっぱいありますので、細かく観察していくと、いろんなことが分かるはずです。

 

コホート研究、敬遠せずにチャレンジしてみてください。