LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)を


不正に操作していたトレーダー 


トム・ヘイズに関するノンフィクション


「スパイダーネットワーク」を読んでい


ます。

 

このLIBORは会計・簿記関連の試験に出題


される基準金利なので、ガチガチで、厳密な


プロセスで算出されるリスクフリーレイトかと


思っていたら、とんでもなく恣意的な金利でし


た。

 

LIBORは銀行が他行から借り入れするときの金


利を、毎日BBA(英国銀行協会)に報告し、


複数行からの報告値をBBAが集計し算出される


のですが、デリバティブ取引をしている銀行が


自らの取引を有利にするために報告値を改ざん

 

したり、銀行のトレーダーと取引しているブロ


ーカーの予測値をそのまま流用したりで、


いくらでも操作できる金利だったようです。

 

第一、銀行で報告業務に従事している従業員


は、自ら報告している情報が、世界で一日に


数兆ドルが取引されるデリバティブ取引を


上下させるとは思っていなかったようです。

 

その盲点をついて、トム・ヘイズが自らのポジ


ションが有利になるよう他行を含めて報告値を


操作し、LIBORを操っていたということです。

 

このような恣意的に操作できる可能性がある


LIBORを今後も公表するのはいかがなものかと


いうことで、21年度にはLIBORの公表が停止


される可能性が高まっているそうです。

 

会計や簿記の勉強をするととても合理的で厳密


なので、面白いのですが、結局、その基準を適


用する金融取引の金利がいい加減で恣意的なの


はなかなか興味深いですね。

 

読み終わったら、また感想を掲載します。