[札幌教区行事] 2014年度札幌地区使徒職大会が開催されました | カトリック円山教会のブログ

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2014年度札幌地区使徒職大会が、9月28日(日)、札幌光星学園で開催されました。今年度のテーマは、「信仰者として、障がい者とともに歩むために」です。当日はお天気に恵まれ、とてもさわやかな一日でした。

信徒は、聖職者がもっていない使命をもっています。
この独自の使命を生きるように、信徒としての召命を受けています。
その使命とは、この社会の中にあって、自分の置かれた場で、神の国を追求することです。
そのために、それぞれの仕事に従事しながら、それらを神に秩序づけながら働いているのです。
社会的・政治的・経済的な分野において、キリスト教の教えと生き方を浸透させるために、信徒各自が、祈りながら、工夫して、自発性をもって置かれた場で働くことが信徒に求められています。
個人としても、団体としても、信徒は受けた洗礼と堅信の秘跡によって、信徒使徒職を行うように主が望んでいらっしゃるということです。
そのことを改めて思い、働くことを確認するために1年に1度使徒職大会が開催されます。





最初に2名の講演者による講演がありました。それぞれの講演内容のポイントを、以下に箇条書きでまとめてみます。

第一講演者:札幌教区長 ベルナルド勝谷太治 司教


・ 1989年、ある車いす製作者と車いすランナーが、車いすでカナダを横断するというチャレンジをして、私もこのプロジェクトに参加した。「ノーマライゼーション」がプロジェクトのテーマだった。
・ そのときに、カナダの障がい者の子ども達が、重度の障がいにも関わらず、電動車いす等を使って、誰の介助も受けずに、一人で、街に出かけている姿を見て、とても衝撃を受けた。
・ カナダのある先生の言葉「大切なのは、生きる意志を持つことだ」「社会に参加しているという実感を持つことが大切だ」が印象に残った。
・ その当時、カナダの都市部では、バス代程度の料金でタクシーに乗れる制度があり、どんな田舎の小さな施設でも、バリアフリー化されていた。
・ 日本に帰って来て、高校生たちに話をしたら、高校生たち自身が、車いすに乗って札幌市内に出かけて、障がい者の疑似体験をすることを企画し、実行した。
・ 企画を実施後に、高校生たちからいろいろな報告があったが、「車いすに乗っている自分を、街の人たちが無視しているように感じた」という報告が、一番の問題点を表しているように感じた。
・ 健常者と障がい者が、互いに安易に妥協することなく、対等に自分の意識をぶつけ合うことが、ノーマライゼーションの基礎であると思う。
・ まず、私たちの「心のバリアフリー化」がなされることが大事だと思う。

第二講演者:カ障連事務局長 田中 実氏


・ 私は吃音(どもり)がある。緊張している方が話せる。リラックスしていると吃音が出やすくなる。
・ 幼少期、両親が不仲で、家庭は暗く悲しい場所だった。中学3年生のとき、ラジオ「心のともしび」を聞いた。その中で「暗いと不平を言うよりも、すすんであかりをつけましょう」という言葉が胸に刻まれた。それが洗礼を受けるきっかけになった。
・ 高校の通学路に教会があったが、中に入る勇気がなかった。自宅近くの別のカトリック教会から「信仰について勉強をしませんか?」という手紙が届き、その教会で勉強して、高校3年生、17歳で受洗した。
・ 青年期までは、父のいない場所では不自由なく話せた。就職して厳しい上司や仕事プレッシャーによって吃音が重症化した。結婚して子どもが生まれると、自分の吃音が子どもの言語習得に悪影響を与えるのではないかというプレッシャーによって、さらに吃音が重症化した。
・ 神戸で開催された吃音者の集いがあり、参加した。そこで司会者自身が、吃音にめげず自信をもって司会進行している姿に、衝撃を受けた。吃音仲間に出会ったことで、障害を受け入れ、自分にやさしくなれて、他人の痛みも少しずつわかるようになってきた。
・ カ障連大阪フレンドリーでは「障害」を「障がい」とは表記しない。社会に対して「障害」つまり不具合を感じる人が「障害者」だ、と解釈しているから。
・ 障がい者自身が自分の障がいを受け入れられず、生き方の確立および自立ができていない場合もある。また自分への甘えが強く、自分が持つ障がいよりもコミュニケーション障害が問題になることもある。
・ すべての人がこの世に生まれて良かったと思える人生をつくること、それをイエスを通じて学ぶことが大切だと思う。
・ 障害者とは、社会生活を営む上でなんらかのハンディを受けている人たちだと思う。ハンディを取り除くには物理的な面・制度・情報・心理的な面の4つの方法があると言われているが、心理的な面が一番大切だと思う。一緒に頑張りましょう!

その後、勝谷司教と司祭団の司式によるミサがありました。









今年度、円山教会は当番教会であり、多くの方に、さまざまな形でご協力いただきました。おかげさまで、大変よい集まりになったと思います。みなさん、ありがとうございました!

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