兎に角今年の梅雨明けは早かった。例年より3週間早く上がってしまった。これは自分の体験では初めてのことだ。しかしまだ真夏の太平洋高気圧が安定している訳でもなく、多分4、5日或いは1週間置き位に雨が降ると予想している。畑の水枯れも充分予想されるので、近くの水源地にエンジン付ポンプでポリタンクに注水して畑に撒く準備は万端整えている。全国各地の水瓶が悲鳴を上げている。暑さによる電力不足と併せて今年は用心しなければならないようだ。

 ロシア、ウクライナ紛争は早くも5ヶ月経ち、当事国は勿論だが世界各地に多大な影響が出始めている。ウクライナは世界有数の穀倉地帯であり、ロシアに依る黒海封鎖で今迄頼ってきたアフリカ始め多くの国々が大変な事態になりつつある。ロシアと西側先進国との体制競争となっており、独裁国家と民主主義国家の戦いなのである。我々日本人は明治以来西側先進国を模範としてきた。歴史的に王朝から武家封建社会を経て近代化した経緯は日本と西側ヨーロッパ諸国は全く良く似ている。しかしヨーロッパではロシア、アジアでは中国は全く違うのである。日本や西ヨーロッパ(アメリカはヨーロッパからの移住先)はこの2つの異質の国家とは根本的に相入れない歴史的な宿命に思い悩み、何とか理解しようとしているかに見える。異質の独裁者は政敵を悉く誅殺することで人々を恐怖で支配してきた。一応は西側と同じような民主主義国家の体裁を整えているかに見えるが、全く違う。

 20年位前友人と3人で4泊5日の中国旅行に行った。中国人の若いガイドは北京大学出身で頭脳明晰で語り合う時間も多く、特に政治に興味を持ち長く話し合ううちに彼の根本的な考え方と我々の考え方は大きく違うとお互いに認識し合う。勿論終始友好的ではあったが、時として彼が断言したのを鮮明に覚えている。「日本は議院内閣制で地方も選挙で選ばれた人によって政治が行われている。その為決定迄時間がかかり全てが遅い。しかし中国は(多分時の主席は江沢民)共産党の意志決定は早く、しかも全国に徹底されるので何事に於いても我国が上である」と言い切るのである。かつては日本もヨーロッパも独裁専制国家であったが、封建的体制から民衆の力が台頭してきて旧弊からの脱却には多大な犠牲を払い乍らも現在の体制を作り上げてきた。又、ロシア中国も同じ様な経緯を辿り共産主義の理想国家を作りあげたのだが、失敗して旧弊に戻ってしまったと思う。この2つの体制相克は生やさしいものではなく、お互いに揺れ乍ら変化していく。しかし少なくとも今の時点に於いては人々に優しい西側の体制が良いと私は思っている。

 追伸 台風4号が九州北部に向っている。九州、四国、近畿、関東に大雨が期待されている。適当に降ってくれる分には誠に恵みの雨なのだが。