トロントでの入院経験
2021年3月末、トロントへ引っ越してから約半年が経ったころ、入院する経験を味わいました。
その当時は、Scarboroughでフィリピン人の家族(オーナーさんとその息子)のお家の一室をrentしていました。
ある日、急に吐き気と38~40℃の発熱に見舞われ、その状態が約1週間続きました。
健康優良児だった私は、今までにここまでヨレヨレになるほどの病気にかかったことがなく、また自国ではない国にいることにかなり不安を感じていました。
とてもありがたいことに、オーナーの息子さんがCOVID-19の検査に私を連れていってくれたり、オーナーであるお母さんが、食事を作って私の部屋まで運んでくれたり(念のため隔離対応中)、至れりつくせりでした。吐き気で全く食べることはできませんでしたが。
検査所でのCOVID-19の検査は陰性でしたが、高熱と吐き気が1週間経っても引かず、オーナーさんと息子さんが私を病院の救急まで連れていってくれました。
病院へ向かう車の中で、「救急は、5~6時間待つのが普通だけど早く診てもらえるといいね」と。
カナダ在住の日本人の友人から、病院での待機時間が長いことは聞いていましたが、横になれない状況で5~6時間待てる自身はありませんでした。
救急に到着すると簡単にスクリーニングを受けました。
まだ英語が拙かった私には英語で症状を伝えるのもストレスでしたが、付き添ってくれていたオーナーさんがサポートしてくれました。
驚くことに、待合室で待機し始めてから約40分ほどで、私の名前が呼ばれました。
おそらく高熱があったので、待合室に私を置いておくことが周囲のリスクと判断されたのかもしれません。診察室に通され、看護師さんが私のバイタルサインを測り始めました。
オーナーさんが、私の付き添いを申し出ましたが、COVID-19の感染防止のため家族以外の付き添いは許可できないと看護師さんから言われ、オーナーさんは「車で待ってるから何か手伝いが必要だったらメッセージしてね」と。
私のつたない英語で、医師の診察を何とか受けた後は、そのまま救急内の隔離部屋のようなところへ連れていかれました。そこには、ベッド1台と別室にお手洗いがありました。
血液検査、尿検査、レントゲン撮影を受けました。その間も高熱は治まらず、たまにシバリングを起こしていました。
しばらくすると、別の医師が部屋へやってきて、サクッと私を診察をしていきました。とてもサクッと。
その医師は、
「家に帰っていいよ。タイレノール(解熱・鎮痛剤)を飲んで様子みて」と。
ええええええええええええ。
私の頭の中では、
“熱の原因がわかっていないのに帰っていいと?”
“タイレノールは、症状を抑えるだけじゃん?”
“家に帰ったところで症状の繰り返しで、またここ(救急)に来ることになるよ?”
と悲鳴が繰り返されていました。
その医師が部屋から立ち去った後、一人の看護師さんがやってきて、
「熱は高いままだし、シバリングまで起こしてる。あなたは家に帰っても治らないだろうから、別の医師に診てもらいましょう」と。
その看護師さんが別の医師を連れてきてくれました。その医師は、丁寧に診察してくれて、入院が必要だと判断しました。
私の状況に気づいてくれた看護師さんときちんと診てくれた医師がいなければ、地獄絵図になっていたと思います。私はラッキーでした。
同じ医療従事者としては、医療の現場でラッキー/アンラッキーでものごとが進んではいけないと思いますが.....。
その後、4日間の入院をすることになりましたが、徐々に症状は改善しました。
入院中は個室での滞在でした(選択肢は与えられなかったです)。部屋は清潔で、病棟で対応してくれた看護師や医師はみなさん丁寧で、安心して過ごすことができました。
入院中にCOVID-19の検査を毎日受け、その度に鼻をほじくり回されました。検査結果はすべて陰性。超音波検査や他の検査結果から、おそらく腎感染だったでしょうと言われました。
退院してから数週間後に入院の請求書を受け取りました。
約$9,900
その当時、留学生の立場だった私はOHIP(オンタリオ州の健康保険)に加入していませんでした。幸いにも、学校を通して加入していた保険で入院費のすべてがカバーされました。
危うく100万円近く支払わなければならないところでした。
もしもの時の保険は大事ですね。