発売直ぐに買った本 …なかなか読書する時間が無くて…。眼の手術後の下向き生活で ようやく読めた。それでも首が痛くて途切れ途切れで読んだ。
「艶やかに」聞き書き 小玉祥子
七代目菊五郎は「男」として好きな役者。粋で江戸前で格好いい!!
その裏付けともなるこの本。
やっぱり好きだ~!人として尊敬する。
幼少期のエピソードや先輩役者の事。古き良き時代の大らかな空気感の中で育った事が芸風にも出るんだな、と。
今の役者には 出せない大らかさ。
七代目の世話物は所作が自然で観ていると何の違和感も無いのだけれど他の役者がやるとそれは大変な事なんだと気付かされる。
袖をたくし上げる、キセルを持つ、手拭いの扱い、着物の裾さばき…みーんな身体に染みこませるまで稽古してるんだよ。それを表に出さない所が粋で格好いいじゃないか!
これまで演じてきた役の 思い出、先輩からの教え、芸談も興味深く読んだ。
親友でもあった辰之助との別れでは涙した。
七代目には哀しみと言うか寂しさを感じる所が有る。こう言う経験から来てるのかな、と思ったり。
また惚れ直した1冊の本であった。
周りを思いやり、芸には厳しく、先輩からの芸の継承と時にはフレキシブルに、 自分をブレさせないで時代を生き抜いていく…
やっぱり格好いいなー七代目菊五郎。粋そのもの。
私もこう生きたいな。
