はじめに
こんにちは、まるこです
先日、群馬の森にある群馬県立歴史博物館に行ってきました
12月9日までの企画展「上毛かるたの世界」が見たくて行ってきましたのよ
グンマーは必ず通る道 上毛かるた
もちろん私も覚えていますよ
(と言っても、まるこはあまり熱心にやらなかった町内で育っているのでかなりうろ覚えの部分あるけどね)
群馬で生まれ育って上毛かるたを知らない(言えない)人なんていません
これほんと
マンガ「お前はまだグンマを知らない」でも、上毛かるたを言えないヤツは他県からのスパイだと容疑をかけられるなんてネタがありましたが…まぁ、それはノンフィクションですね
上毛かるたをまぁまぁ覚えている私でも、しっかり覚えているまるこ母でも、今回の展示を見るまで知らないことだらけで、本当に勉強になったし、郷土愛深まりました
群馬県内の小学生のお子さんを持つ親御さんや教育関連の職業の方々には特におすすめ
あと、群馬出身の人と仲良くなりたい人は上毛かるたのことちょっと知ってるだけでとにかく話がはずみますので、よかったら最後までお付き合いください
今回の記事では、展示を見て初めて知った目からうろこの上毛かるた情報を書いていきたいと思います
群馬県立歴史博物館「上毛かるたの世界」
いつ、なぜかるたは作られたのか
初版は昭和22年(1947年)12月。
戦後GHQによって歴史・地理・道徳教育が廃止されてしまったことを受け、子供たちが遊びの中から学べるものをという思いで作られたのだそうです
私としてはもっと昔からあるものだと思っていたので意外でした
あと、このあと詳しく書いていきますが「戦後日本復興を群馬から、地域みんなで力を合わせて」といった色合いが強いものであることに気づかされました
札に隠した復興への決意
赤く塗られた2枚の読み札
上毛かるたには、箱に入れたときに一番上に来る2枚の読み札だけ地の色が赤くなっています。
赤い読み札は「い」と「ら」の2枚
伊香保温泉 日本の名湯
雷(らい)と空風(からっかぜ) 義理人情
言われてみれば確かに色が違います
けど、その意味なんて考えたことありませんでした
これは、戦後荒廃した日本が元気を取り戻すための活力を群馬から発信したいという証に赤くしたのだそうです
「ら」「雷(らい)と空風 義理人情」に隠した尊王
「ら」の札は群馬県の気候や県民性を表しているものですが、作成当時GHQの指令によってかるたに読み込むことのできなかった小栗上野介忠順、高山彦九郎、国定忠治らにいつか光を当てたいという思いを「義理人情」という言葉で表現したのだそうです。
高山彦九郎は江戸時代に勤王論(尊王論)を唱えた思想家です。
「ほ」「誇る文豪 田山花袋」に隠した靖国信仰
「ほ」の札はただただ群馬県出身の偉大な作家を讃えるものだと思っていたのですが…
田山花袋を読んだのには他に理由がありました
田山花袋の著書『東京の三十年』の「九段の公園」の中で、花袋が西南戦争で戦死した父親に会うために靖国神社に通い、心を奮い立たせる姿が書かれています。
この少年時代の花袋の姿に靖国神社を託し、靖国神社再興の思いを託して読まれたそうなのです
GHQの検閲・指導が入るのであからさまな表現が出来ません
うまいこと考えたなとは思うけど、どれだけの県民がこの札に「靖国再興への願い」を読み取れたのだろうかと謎ですが…
ちなみに当時、田山花袋は県民にはあまり知られていなかったけど、札に読まれたことで皆が知る文豪になったのだそうです。
「つ」「鶴舞う形の 群馬県」に込められた思い
上毛かるたの中でも一番重要で点数も高い札「鶴舞う形の 群馬県」。
地図で見た群馬県の形は”鶴が舞っている姿みたいだよね”っていうだけの札だと思っていたのですが…
ここには次の2つの思い・願いが込められていたのだそうです
一つは「めでたい鶴の背に乗って大きく羽ばたいてほしい」
もう一つは「シベリアへの抑留者に渡り鳥・鶴に心を託して一歩でも南下してほしい。必ず救出することを誓う。」
ここにも戦後日本特有の思いが込められていたのですね
「り」「理想の電化に 電源群馬」の意味
この札は小学生の私には意味が分かりませんでした。
いや、大人になっても謎でした
それこそ呪文みたいに覚えていたわね
「リソウノデンカニ デンゲングンマ」
濁点多いな…くらいの記憶しかなかったのですが
解説読んでこの札の意味がやっと理解できました
戦後、群馬県内です次々とダム建設が進められていたようなのですが、その成功によって関東の電気をまかない、戦後復興への望みを読んだ札なのだそうです
このことは、この札がいつ読まれたものなのか、どんな状況下で読まれたものなのかを知らなければ理解できないはずだなとすっかり腹に落ちました
GHQを説得して読んだ「れ」「歴史に名高い 新田義貞」
新田義貞は武士なのでGHQ的にはNGだったのですが…
本来かるたに入れることのできなかった存在である武士・新田義貞に関しては、GHQを説得して納得してもらって入れたものなのだそうです
説得してOKパターンもあったんだとちょっとびっくりしました
「え」「縁起だるまの少林山」に描かれた六つ星の北斗七星
「縁起だるまの少林山」に読まれた少林山達磨寺(高崎市)の本尊は、達磨大師と北極星・北斗七星を神格化した存在の方位除けの守り神。
絵札には達磨と北斗七星っぽい星が描かれています。
…が、よく見ると星は6つ
(まるこはそのことに全然気づかなかったのですが、)
札に描かれた北斗七星をイメージした六つ星には、「一人ひとりが七つ目の輝く星となるように」との思いが込められているのだそうです
おまけ
「ち」「力合わせる〇〇〇万」で世代が分かる
「力合わせる 〇〇〇万」は、群馬県民のみならず全国民に力を合わせることを呼び掛けたものでした。
初版では「力合わせる 160万」
群馬県の人口が10万増えるごとに4回数を改めています。
平成5年(1993年)の改定で現在の「力合わせる 200万」になったのだそうです
ちなみにまるこは「力合わせる 190万」の世代でした
まるこ母は「力合わせる 160万」世代
「力合わせる 〇〇〇万」で世代がバレちゃうって話でした
感動の原画
展示の中に、昭和43年(1968年)に描かれた現行の絵札の原画がありました
思ったよりあまり大きくなかったのですが(一枚がB6サイズくらいかな)、これが原画かと思うとちょっと感動しました
企画展示のその他の展示
企画展示では上毛かるたの他に、全国各地のかるた、群馬県内の市町村かるた、さらにさらにローカルな小学校かるた等々の展示がありました
まるこ母は小学校教諭をしていたのですが、勤めていたことのある小学校のかるたの展示もあって「ローカルが過ぎるわ」とおかしくなっちゃいましたが、県内にはかるたで歴史や文化を知ろう・学ぼうという気風というか、県民性とも言える文化が溢れているんだなと郷土愛が止まりませんでした
ところで、展示の要所に学芸員さんの手書きと思われる解説プリントが4枚ありました
これがね、ご覧のとおり字がキレイでイラストが上手で文章も読みやすくて知らなかったことを楽しく分かりやすく学べるとても素敵な解説でした
これは本当に素晴らしいです
「上毛かるたの世界」まとめ
上毛かるたのこと知っているつもりでいたけど、全然知らないことばかりでした
この企画展は面白い
群馬県立歴史博物館は大人になってから初めて訪れたのですが、展示も解説も補足資料も素晴らしかったです
常設展
県立歴史博物館は自然史博物館ではないので、群馬県地域の人類史に関する展示が常設展のメインになります
中でも古墳時代の遺跡から発掘されたものはスペースをとって展示されていました
まるこが画像を撮ってきたものを中心に、テンションが上がった展示をちょこっとだけご紹介していきます
かっけー縄文土器
この縄文土器、めっちゃかっこよくないですか
約5000年前のもので、国の重要文化財に指定されているそうです
まるこ、夏にトーハク(東京国立博物館)の「縄文」展観に行った時、国宝や重要文化財の縄文土器は散々見たんだけど…
このタイプは初めて見ました
すっごい豪快で力強くて、明らかに何かを意識して形作っているんだと思うけど…何だかわからないね~
四角と丸と筋の模様を組み合わせたこの土器は何のイメージで作られたものなのか…妄想が止まらないよ
続きましてこちらも縄文土器
真ん中のタコの吸盤みたいなやつに目を奪われました
何なんだこいつは何なんだ
次の真ん中のやつもゴイスー
何、その造形
もう気持ちが追い付かないよ
古墳時代
古墳時代、群馬はヤマト王権との繋がりも太く強い権力を持つ豪族が支配していました。
朝鮮との交流も盛んだったようです
群馬県内からは古墳が約14000基も見つかっているそうです
中でも県内最大級・未盗掘で見つかっている綿貫観音山古墳(高崎市)から出た副葬品は国の重要文化財に指定されています
展示されている埴輪たちの人物像、役割、動作などなど注目ポイントがたくさんあって見ていてとても楽しかったです
思ったよりサイズが大きいのがビックリしました
おまけ
博物館のアンケートに協力した人はシールを持っていっていいよって書いてあったので、アンケート書いてぐんまちゃんシールをゲットしてきました
馬に馬が乗っていたりと、もうなんかいろいろと突っ込みどころありますが…こーゆーの嬉しいよね
おわりに
以上です。
最後の方疲れちゃって文章ザツですが
普段まるこは美術館に行くことが多いけど、博物館も楽しいですね
群馬県内にはまだまだたくさん大小の美術館・博物館があるのでいろいろと回ってみたいと思います
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何だかんだで最後まで読んじゃったよーっていうあ・な・た
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