金沢旅行に行ってきました
定番の21世紀美術館と一緒に、敷地内にある金沢能楽美術館にも行ってきました
私、狂言には興味があって、何度か見ています。本を読んでお勉強もしましたが、能については見たこともないし、本でもノータッチなので全然知らないのです
なので今回の美術館訪問は興味深く楽しめました
(※能楽とは能と狂言との総称。平安時代以来の猿楽から鎌倉時代に歌舞劇が生まれ、能と呼ばれた。それに対して猿楽本来の笑いを主とする演技は科白劇の形を変えて狂言と呼ばれた。能と狂言はどちらも能楽堂と呼ばれる専用の劇場でプレイされる。)
私の認識だと、能はちょっとお堅め、その箸休めにプレイされるコントが狂言という感じ。
能楽美術館で着装体験
能楽美術館では、ボランティアさんがいる時に能装束・能面の体験が出来ます。
まずは着物を2種類から選びます。
赤い着物と青い着物。
赤い方は紅入(いろいり)と言って若い女性役に用い、青い方は紅無(いろなし)と言って中年や老女に用いられます。
赤い紅入の着物を選ぶと、面は小面(こおもて)、孫次郎(まごじろう)、増(ぞう)という3種類から選ぶことになります。
左から小面、孫次郎、増です。
小面は最も若い女性役に用いられます。
孫次郎は小面の変形になります。
増は神性のある女性役に用いられます。
青い紅無の着物を選ぶと、面は曲見(しゃくみ)、姥(うば)という2種類から選ぶことになります。
左が曲見、右が姥です。
曲見は中年の女性役に用いられます。
姥は老体の女性役に用いられます。
変身
私は紅入の着物に増の面を選びました。
つまり、神性のある女性になりました
母は紅無の着物に曲見の面を選びました。
つまり中年の女性になりました…(じゃ、面いらなくない)
顔を上げると笑い顔になります
神性のある女性の笑み
中年の女性の笑み
また、斜め下を向いて手を添えると泣いている所を表現できます
神性のある女性の泣き顔
中年女性の泣き顔
ひとしきり泣いた後は、すり足で歩いてみます
視界が狭くて、着物が重くて歩きにくい
面はピタッと顔にくっついているので喋るのも大変そう
能面紹介
体験ゾーンにあったその他の面をご紹介します
左と真ん中が翁(おきな)、右が黒式尉(こくしきじょう)です。
翁は格別に神聖視される神。
黒式尉は五穀豊穣を祈願する神。
左は十六(じゅうろく)、右は童子(どうじ)です。
十六は年少の貴公子。
童子は神性のある童体の男性。
左は小面、右は般若です。
小面は最も若い女性。
般若は女体の怨霊や鬼女など。
左は中将、右は黒髭。
中将は貴公子。
黒髭は龍神、蛇体など。
他には、画像がないのですが…
怪士(あやかし):猛々しい男体の霊
猿飛出(さるとびで):小飛出(動物の霊など)の変形
獅子口(ししぐち):霊獣の獅子など
がありました。
体験コーナーで着物を着る場合、付ける面は決まっているのであまり選べませんが、面だけなら上記の中から選んで良いみたいでしたよ。
感想
とても貴重な体験が出来ました
面は表情が一つなので、顔の向きやしぐさで表情や気持ちを演じ分けるっていうのは面白かったですね
あと、面について男性は神っぽいのが多かったのに対して、怒ったり狂ったりしてるのは女性が多く、狂女や般若の面はめっちゃ怖かった昔から女性は怖かったんだね
最後までお読みいただきありがとうございます