ここはイツカノ大陸、はるか太古の地球のような、、または別次元にあるどこかの地球とも言えるかもしれない。
そんなイツカノ大陸のいつかの話。
そのイツカノ大陸のちょうど真ん中辺りにある広大な森、その森の外れに二百人程が住んでいる小さな村ンワ
その村からまずはこの物語は始まります。
ンワ村の長老ワンカの娘であるルンナはその夜は何故か寝つけずにそっと家でもある村の御神木樹齢一万年以上のクムクムの木の幹に開いた大きな穴倉から抜け出して川縁に行って夜空を見上げていた。
「今夜はなんて星が美しく輝いている夜なんだろう。夜空を見上げているだけで幸せが込み上げてくるような、そんな夜だわ。」
そんな気持ちで見上げる星空が一瞬ピカッと光ってルンナがその光った方を見ると、
なんと星がンワ村に向かって落ちてくるではないか!
「えっ、うそ!私が見つめすぎたから?そんなわけないわよね。」
ルンナが自問自答している間に星、、その光はもうすぐそこまで迫っていた!!
そして、ルンナの頭の上数十メートル程のところを揺れながら通過して2キロ程向こうにある滝の辺りに落ちた!!
ルンナは光が落ちた方向に森の中を走りながら頭の中でつぶやいた。
「頭の上を通り過ぎる時に見えた!あれは宙舟(そらふね)、宇宙の兄弟星からたまに来る舟だ!
何か事故があったのかしら?中に乗っている人が心配だわ、無事だといいのだけれど、、。」
しばらく走って滝まで行くと、滝壺から少し離れた所に小型の宙舟が不時着していて煙を上げていた!
「ちょっと嫌な予感がする、、爆発するかも?
なんて考えている暇なんてないわね!中に人がいるなら助けなくちゃ!!」
ルンナは思いきって、煙を上げて今にも爆発しそうな宙舟に走り寄って両手で思いきりボディをノックした。ドン!ドン!ドン!ドン!
「誰か乗っているならドアを開けて!!
早く逃げださないと爆発しちゃうよ!!」
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
プシュウ、という軽い音と共にすぐ横のボディが楕円の形に開いて中から全身銀色に光る人がヨロヨロと歩み出て来て数メートル程歩いてから
パタンと伏せるように地面に倒れてしまった。
ルンナが慌てて駆け寄り銀色に光る人に触れると光は消えて、それは全身を覆った体に密着した白い服姿のイケメンだが青い肌の男性だった。
その直後、ドカァン!!という音をたてて宙舟は燃えあがり、そして光の粒となってその全てが夜空に舞い上がり消えてしまった、、、。
ルンナは青い肌の男性の肩を抱き起こして宙舟の光が消えた夜空を見上げて思った。
「さあ、この宙人(そらびと)さんをいったいどうしたものか、、、。」
しばらく、男性の肩を優しく抱いたままその体に愛のエネルギーを注いでヒーリングしていると宙舟の爆発音を聴いたのか村の人が一人、二人とやって来た。
「ルンナ!いったい何があったのだ!!
その人は何処から来た!何者なのだ!!」
ルンナはその聞き覚えのある声の方に振り向きながら夜空を指さして言った。
「お父さん、この方はきっと星の王子様。
足を滑らせて星から落ちて来たみたい。」
そう微笑みながら話すルンナに声の主ワンカは言った。
「そうか、宙人か。どのような事情があるにせよほってはおけぬな。誰かこの宙人を担いで我が家まで運んでもらえまいか?」
ワンカの頼みに体のデカい村人が進み出てルンナに軽くうなづいてから青い肌の宙人を優しく両手で抱えて村の方にゆっくり歩きだした。
ワンカはそのすぐ後ろを歩き、ルンナがその後に続いた。
集まって来た村人たちもさらにその後に続いて村へと森の中を歩きだした。
そうやって村の中心にある御神木であり、ワンカとルンナの家でもあるクムクムの木まで一行は歩いて、青い肌の宙人を木の穴倉に運び込んでそっと寝かした。
そして、ワンカは穴倉から外に出て集まって来た村人たちに言った。
「皆の者聞いてくれ、宙人は我らの兄弟星からの来訪者だと思う。なんらかの事故で宙舟が落ちて体を痛めているようだ。元気になるまでワシとルンナが面倒をみることに決めた。
皆、不安もあろうが傷ついている者を見過ごしにはできない。何かあったときの責はすべてこのワンカが請け負う!」
そう言ってワンカは村人たちに向かって深く頭を下げた。それを見て村人たちはちりぢりにそれぞれの家へ帰っていった。
「お父さん、ありがとう!責はすべて私が受けます!!」
そう言うルンナの方に振り返ってワンカが言った。
「バカモノ!村で起こった事の責はすべて村長であるワシにある!!お前が娘だから責を負うと言ったわけではないわ!!さあ、家に入ってあの宙人の体を癒すぞ。」
ワンカはルンナの頭を優しく撫でながら言った。
〜ついに書き出してしまったイツカノココル!
さあ、ココルはどのように風のココルと呼ばれるように成長していったのか?
どんな冒険の旅や人、物事がココルをイツカノ七賢人にまで成長させたのか?
一緒に旅を楽しんでいきましょう☆♪🎵