確定拠出型年金(日本版401Kプラン)には、個人型と企業型とがあります。個人型は、個人が掛け金を拠出し、その運用成果を個人が受け取るというもので、国民年金基金の代替・補完物といえます。企業型は、企業が掛け金を拠出して、従業員が受け取るもので、厚生年金基金や「適年」の代替・移行先になっています。


 退職金制度の一環として考えるなら、企業型ということになります。企業は、まず従業員の同意を得て確定拠出年金規約を定め、厚生労働大臣の承認を得ます。その後、金融機関等の運営管理機関と委託契約を結ぶ一方で、信託銀行等の資産管理機関とも契約を結んで毎月の掛け金を払い込み、従業員が運用した積立金を保全してもらいます。運営管理機関は、従業員の運用指示を資産管理機関に指示したり、従業員に対して資産残高や運用状況の報告などのサービスを行います。


 この制度は、確定拠出型の退職金制度であるため、企業は毎月の拠出金さえ支払えばよく、運用責任は従業員自身にあるため、積立不足というような事態を生じる余地がないというところに魅力があります。ただ従業員の自己責任で割り切っていいのかというところにジレンマがあり、中退共などの他の積立制度の検討が求められます。