今回ベトナムで行われていた女子アジアカップは
来年カナダで行われるW杯の予選を兼ねてました。
いわば重要な公式戦に当たるわけですが・・・。
 
 FIFAの定める国際試合日(インターナショナルマッチデー)であれば
選手の招集は各国の要請が優先され、それ以外の日はクラブが優先する
と、いうような規定があります。(男子も同じです)
 
 ただ今回のアジアカップは日程の調整が遅れてしまい
FIFAの指定するマッチデーに組み込まれなかったため
海外のクラブに所属する一部の選手の招集ができませんでした。
 
 熊谷紗希(リヨン)、近賀ゆかり、大野忍(アーセナル)、
安藤梢、田中明日菜(フランクフルト)、岩渕真奈(ホッヘンハイム)
は、チームが優勝争いをしているなどの理由でクラブ側が招集を拒否
 
 ケガのため鮫島彩(ヒューストン)も招集されず、
大儀見優季(チェルシー)は予選リーグ限定の招集になりました。 
 

 W杯の予選という意味では、出場8カ国中5カ国に枠があり
準決勝に進出できるグループリーグ2位までは自動的に出場できることもあり
オーストラリア・ベトナム・ヨルダン・日本の組の中で2位ということは充分余裕。
 
 ただアジアカップはまだ女王なでしこが手にしていないタイトルでもあり
メンバーの招集に制限があるのは少々痛いところはあるものの
 
 期待された若手が伸び悩み、思ったように世代交代が進んでいないのもたしかなので
止むを得ない理由ではあるとはいえこういう大きな大会で
数人の選手にチャンスが回ってくることは悪くないかも
 
 と、いった状態で臨んだなでしこでした。
 
 
 

 緒戦のオーストラリア戦では攻撃のコンビネーションなどが今一つで
相手の運動量のあるうちはボールも回らず
フィジカルを生かした強いプレスと速いカウンターに苦しみ
それでも引き分けに持ち込みました。(2:2)
 
 続くベトナム戦(4:0)、ヨルダン戦(7:0)は快勝
グループリーグはトップ通過、まずミッションのW杯の出場権は確保
 

 ベスト4勝ち上がりは日本、オーストラリア、中国、韓国でした。
日本の準決勝は中国戦ということになりました。
 
 女子サッカーの国際大会が組織されるようになった頃、中国は世界的な強豪国、
サイズとパワー、スピードで劣る日本はとても歯が立ちませんでした。
 
 その後五輪に採用されるなど世界的に競技人口も増えると
サイズやパワーを凌駕するテクニックや戦術が急速に整備されてくると
中国女子サッカーは衰退の一途を辿ることになります。
 
 アキレス腱になったのは、年少競技者に対しての指導者と環境の不足でした。
女子サッカーが勝てなくなって人気がなくなると
有力な身体能力を持つ者達も他の競技を選ぶことになってしまい
たちまち人材不足になってしまいました。
 
 準決勝もラフプレーが目立った印象です。
サイズとパワーは相変わらずなでしこを凌駕していましたが
得点は結局PKの1点でしたしね。
 
 あれほど歯が立たなかった中国にはなでしこは8連勝になってます。
 

  
 いよいよタイトルを掛けた決勝は緒戦と同じオーストラリアになりました。
 
 男子サッカーでオセアニア予選で勝ち抜けるのはいいけれど
W杯出場には南米4位との出場決定プレーオフが待っているので
ウルグアイ、パラグアイやコロンビアといったところに勝てず、なかなかW杯に出られない。
 
 だからってつい先ごろまで白豪主義バンバンにかましていたクセに
アジア枠ならW杯出られるんじゃないの?ってアジアサッカー連盟に加入
なんだ!その御都合主義は!と、言いたくなるところ
(ま、男子の方の都合ですけどね)
 
 女子の方は活動費の不足をヌードカレンダーを売ったりして話題になったり
それが国会で取り上げられてヌード禁止令が出たり・・・
でも話題になったおかげで人気が出て結果的に資金は困らなくなったり
(なでしこの皆さんがマネするのは熟考の上にしましょうネ)
 

 決勝戦は1:0でオーストラリアを下し、なでしこはミッション完遂!
得点こそ、ショートコーナーから宇津木のクロスボールを中国戦のヒロイン岩清水が合わせ
相手に当たってゴールインした1点だけでしたけど内容は危なげないようなものになっていました。
 
 オーストラリアの勢いは日本が慎重に構えていた序盤だけで、
プレスが機能しはじめてからは日本のペースでゲームは進み前半の28分に先制
 
 後半にはオーストラリアがスクランブル態勢のところ
日本は交代策などが有効に機能して、まさに総力戦で締めました。
 
 緒戦では、チームに合流したばかりのFWの大儀見が入るまでは
前線にボールが収まることもなく、期待された高瀬も自信なさげに見えたし
DFも連携不足とスピードに翻弄されてしましたし
GKの山根も高さは通用するけどスピードで裏を狙う攻撃に前への弱さを露呈。
 
 と、また苦戦かなぁと思って見ていましたが
 
 初招集組も3試合を戦ってきたし、経験のあるメンバー優先だった中国戦を見たり
グループリーグの3試合ためだけに帰って来て存在感見せた大儀見に刺激されたんでしょう。
 
 有吉、川村、中嶋、高瀬といった面々が人が変わったようにプレーしてました。
途中で入った菅澤も気後れなくプレーできていました。
 
 グループリーグが中一日の3試合、大会12日で5試合、海外組が揃って招集できない
気温は昼には35℃、夜でも30℃、湿度は高めのコンディションという条件下で
若手・バックアッパーの覚醒なくしては優勝はできない。
 
 期待の選手から計算できる戦力になったと思います。
優勝したことだけではなく、大きな収穫があったといえるかなぁと。

 しかし、まだまだ世界一メンバーの威力は健在
若い選手とは1枚も2枚も役者が違うことを見せつけた大会にもなりました。 
 
 彼女たちのこれからは来年に向けてのサバイバル戦になるんでしょう。
今回はヨルダン戦の総入れ替えもあって招集メンバーの全てが出場できました。
それぞれ良い経験になったでしょう、生かして欲しいですね。。