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 CL、ACミラン対アーセナル
1stレグではロンドンで0:0だった。
アーセナルは押しに押していたけれど得点できず。

 2stレグはミラノ、ミランのホームだけど
展開は1stレグと同じようなものではないか、と思われた。


 攻撃に人数を掛けて前へ前へボールを繋ぎながら
出てくるアーセナルは見ていてエキサイティングで楽しい。

 しかし最終的に誰がシュートを打つのか、は
その攻撃の性格上はっきりしていない。
つまりシュートに長けたものが打つとは限らない。

 ある種ゴールは特殊能力が必要な側面もある。
従って押し込みながら得点が取れないことがよくあるのだ。

 また攻撃に人数と手間が掛かるので
ときとしてカウンターを受けた際にDFの人数が厳しいことがある。

 アーセナルのDFが時折1対1の場面で激しすぎ汚いと揶揄されるのは、
そこで止めないとどうしようもないことがあるからだ。


 攻撃の型を持たないミランはピルロのパスに誰かが反応するか
カカが突破できるか、攻撃ではこの2点に掛かっている。

 ただし守備は非常に堅いので、攻撃がピンでも
1点取れればそれで計算が成り立ってしまう。


 アーセナルがミランDFを崩せるか
カカがアーセナルのDFを突破することができるか・・・。


 ゲーム前半はちょうど半々の展開だった。
圧力を掛けて前に出るミラン、できるだけ早いうちに点が欲しい。
この日はセードルフは欠場なのでインザーギとパトの2トップ
クリスマスツリーではなかった。

 ピルロのパスにはインザーギは相性がいい。
いつもの独特な動きと動き出しのタイミングでウラを取ろうとする。
アーセナルDFは4人いてもインザーギをフリーにしたり対応に苦慮した。

 アーセナルは当初カカのマークを曖昧にしている。
自陣からでも前を向いてスペースを与えると50mも持っていかれる。
アーセナルが肝を冷やした瞬間だった。
この後はセスクとフラミニが2人で抑えにかかっている。

 パトも若い選手らしく挑んで五人かわしてシュートも打って見せた。

 ミランが序盤を支配した。2トップはうまく機能していた。
ただしピルロ→インザーギ、カカ→パトの関係が有機的に結びつかない。
カカが抑えられればパトは消えるし、
ピルロがプレッシャーを受けたらインザーギは彷徨うだけ。
こういったことは場数を踏まないと難しいだろう。

 この時間帯まではミランはサイドも制圧し
マルディーニ、オッドも何度も攻撃に参加している。
ア-セナルのサイドバックにほとんど攻撃参加させていない。

 前半半分が過ぎたころ、マルディーニのパスミスを拾って
アデバイヨルのシュートに結びついたのを契機に
攻守がガラっと変わってしまう。

 アーセナルの反撃が始まった。
ピルロもカカも守備の援護に回ってミラン2トップは孤立していた。
アーセナルがサイドからもドンドン押し上げてくる。
セスク、アデバイヨルが幾度か惜しいシュートを放つが決まらず。
ミランは自陣に釘付けになっている時間帯。

 ちょうど前半は半分半分を攻め合って終わった。


 後半に入ると試合は均衡。
ボール支配率はアーセナルだが、決定機は同じくらいか。
センデロス、エブエのシュート、ピルロのFKがあわやという場面。

 アーセナルが攻めて、ミランはカウンター
お互いの「型」でもあるのでなんだか安定してしまっている。
妙にゴールの匂いのしない時間帯。
つまりお互いにミスをしていない、ということだ。

 このレベルではちょっとしたミスが命取りになる。
先にミスを起こし出したのは、ミランのほうだった。

 守備に追われる時間帯が平均年齢の高いミランには堪えたか。
それにミランに欠かせないガットゥーゾはケガ明けで精彩を欠いている。
本来ならガットーゾがピルロやカカの守備の負担を軽減する役だが
彼の不調のおかげでむしろ守備の負担を強いている。
セードルフの不在もそれを感じさせる。

 今シーズン開幕当初も、冬の移籍シーズンでもミランは補強していない。
交代に使えるレベルの選手はもういないのだ。
 
 後半も中盤以降に差し掛かるとミランは自陣から出れなくなった。
もうカカもピルロもDFラインの前で守備に追われている。
お目付け役のセスクは本来の位置でタクトを振っている。

 しかし粘り強い守りのミランのゴールはなかなか割れない。
アーセナルも数回単発ながら鋭いカウンターを浴びるが
こちらもゴールは割らせない。


 ミスが起こったのはそろそろミランが延長戦の心の準備に入ったころ
守備の負担で疲れきっていた風情のピルロがミスパス

 これを拾われてセスクのドリブルをガットゥーゾが
まったく彼らしくない粘りのない対応でアッサリかわされる。

 距離はあったがDFの影から低い弾道で抜けたシュートは
カラチのセーブ及ばず、均衡を破った。84分。

 アウェイゴールを許したミランは2点を獲らなくてはいけなくなった。

 ホームで負けたくないミランはアンブロジーニを上げて
パワープレーに転じた、もうそれしかなかった。

 ロスタイムには右サイドをトップスピードで駆け上がった
ウォルコットからアデバイヨルがゴ-ル前で追加点のプッシュ
もうミランDFは誰も戻ってこれなかった。


 ディフェンディングチャンピオンのミランは
攻撃的でリスクを恐れないサッカーを通した若いアーセナルに敗れた。


 アーセナルのサッカーは今後の潮流になるのかもしれない。