(ブッコロス??・・・え、何?)
全く意味が分からない。

驚き過ぎて何も返せないでいると再度「ぶっ殺すぞ!!」と言われる。
「何で?」
気付けばそう返事をしていた。
その問いかけには答えることはなくZは私に手を伸ばす。
服の上から…が服の中になる。

いつもより乱暴に私を扱い、上乗りになって「やる?」と聞いてきた。
(この状況で?)と困惑したが、何かを言ったり断ったりすると不機嫌になるかもしれないと考え「うん」と答える。

適切な表現方法が分からないが「ちゃっちゃ」と終わった。

挿入するためだけの準備運動のような前戯。
独りよがりの性行為で、【私】は不必要な時間だった。

終わった後もいつもとは違いさっと自分のモノを拭き少しボーッとした後、浴衣を着て「髷結い直してくる」と部屋から出て行った。

同意した性行為だったが、陵辱されたような気分になった。


感情が麻痺していたのか、それでもまだ【休養日を楽しみたい】という気持ちは大きく、Zがいつ戻って来ても出かけられるように準備を済ませる。

10:00前にZが部屋に戻ってきた。
機嫌が直ったのか先ほどまでとは違い、いつも通りの優しい声で「歩ちゃんお昼どうするの?俺ホテルから昼飯出るから時間になったら植田と食い行くけど…」と言う。
(えぇぇ?出かけれる、ご飯食べに行こうって言うてたやん。何でなかったことにしてんの?自分から言うたんやで?急に何なん?)と爆発しそうな気持ちを抑え込み、Zを不快にさせない言葉を発する。
「あ、あ…あ、そうなん?・・・どうしよっかなー」
「せっかくなんだから美味しいもん食べて来なよー」と悪びれる事なく言う。
「ソウヤンナ」
(どんだけなん?)とZの仕打ちにげんなりしながら答え、近くのお店を検索した。
ホテルの周りに飲食店はなく市街地に行くには片道30分程度かかる。
(1人なんやったらもうコンビニのおにぎりでいいわ)と一瞬思ったが、目の前で呑気にゲームをしているZを見て無性に腹が立ち(意地でも美味しいもん食べたんねん)と必死に探しまくり、大好きな生しらすが食べれるお店を発見した。
しかも、車で15分〜20分程度と近い。

(ここに決定!)と思っていると「何かいい店あった?」と聞いてきた。
「生しらす食べれるお店見つけたからそこにする」
「いいじゃん!美味しいよね、生しらす!俺も好きー。いいなぁ、歩ちゃん。俺も一緒に行きたい」と、神経を逆撫でする事を平然と言う。

もう何も言い返さない。
「何時ごろご飯行くん?」と話を変え尋ねた。