(ほんまに何しに来たんやろ?)
(あんなに楽しみにしてたのになぁ…)
(一緒におる意味なくない?)
(やっぱり大阪帰ればよかった。。。)
布団を離し背中を向け、こっちを振り返ったり気にする様子のないZの後ろ姿を見てそんな事ばかり考えてしまう。
気が付けば既に1時半近かった。
(2時間ぐらい文句言われてたん?)と気が滅入り、普段は気にならないZの大きすぎるイビキで眠れない。
話し合い?が始まったのと同時ぐらいに届いていたスズからのメッセージに返事をする。
返信があればいつものアホみたいなやり取りで気が紛れると期待したが、時間が時間のため返事がない。
(流石に寝てるか…)
する事がなく時間だけが過ぎる。
何時頃だったか失念したが、Q県行きを伝えていた友人から『無事着いてる?楽しいー?』とLINEが届いた。
「Q県に行く」としか伝えておらず、Zとの事も何も話していなかったので話せる範囲は限られていたが、もう心がいっぱいいっぱいで『楽しんでない。悲しい。辛い』と返事をする。
(急にこんなLINE嫌やろな)と思ったが送らずにはいられなかった。
すぐに『どうしたん?何があったん?大丈夫?今電話できる?』と返事が届く。
『ごめん。電話は無理ねん。全然大丈夫くない。大阪帰りたい』
『帰っておいで!うち来る?来れる?今から迎えに行こうか?』と、私を心配して本気でQ県に来ようとしてくれる友人に心を救われ何とか気持ちを立て直せる気がした。
少し寝ては起きを繰り返す。
朝方、Zが目を覚まし「布団が硬くて寝れなかった」と言う。
私の気の使い過ぎか、寝起きのせいか口調が怖く感じる。
なるべく普通に「大丈夫?」と聞くと「布団が硬い」とやはり心なし不機嫌っぽい。
「押入れの中にまだ敷布団あったし敷く?2重にしたらまっしになるかも」
「じゃそうして」
と言われ、押入れの上の段から敷布団を取り出し持ち上げる。
掛け布団ぐらいは自分でのけてくれると思ったが、寝転び動こうとしない。
持病があり、地べたに置いている重たいものを持ち上げるのは大変だと分かっているので「ごめん。ちょっと起きて掛け布団のけてくれへん?のけてくれな敷布団敷かれへん」と伝えても「は?」と言うだけで起きる気配がない。
押し入れに戻そうにも私の身長では難しい。。。
仕方なく敷布団を畳の上に置き、掛け布団をのけ「ちょっとのいて?」とZに声をかけるとブツブツと文句を言いながらでも起き上がってくれたので急いで敷布団を持ち上げた。
「あ、重っ」とつい口に出てしまう。
それでも手伝ってくれる気配はない。
どうにか敷布団を重ね「はい、出来たよ」と伝えるとお礼も言わずに布団に入り2度寝を始めた。
(いや、ええねんで?快適に眠れるようになったならええねんけど、お礼ぐらいあってもよくない?…私が身体悪いのも分かってんねんし、ちょっとぐらい手伝ってくれてもええんちゃうん?)とモヤっとが増える。
そのまま眠れない時間を過ごしているとZのアラームが鳴った。
9時。
息を潜める時間が漸く終わるとホッとして、iPhoneを触っているZに「おはよう。起きる?」と声をかける。
返ってきた言葉は「ぶっ殺すぞ!!!」だった。