「ごめん。LINE気付かへんかった」
「既読にならないから焦ったー!」
「ごめんよ。同じ階なんや?」
「そうなんだよー、だから荷物全部持ってこなくてもいいかな?って思ったんだけど、持ってきてた方が朝一緒にいれるかなって思ったから持ってきた
「ありがとう」
「ねぇねぇ、さっきすれ違ったよね?」
「あ、やっぱり気付いてたんや」
「髪の長さと髪のきれいさで気付いた」
「顔じゃなくて?(笑)」
「まず髪で気付いて、その後顔見てやっぱりって思った。電話してたふり?」
「んーん、ジェヨンとほんまに電話してた」
「なんだー、顔隠すための演技かと思った(笑)」
「いつもの付け人さんもおったから焦ってんけど、怪しい動きできひんって思ってたらタイミングよく電話かかってきてん。」と話したあと「シャワーしてくるね」と浴室へ向かった。

10分もしないうちに出てきて「暑いー!」とクーラーのリモコンを手に取り操作する。
「よしっ!!ちょっと我慢してね。寒くても」と言われ「うん、いいよ。ちなみに何度?」と尋ねた。
「16度」
「(笑)めっちゃ寒いやん」
「俺が髭剃る間だけだから」
「うん、いいよ。大丈夫」
と、髭を剃り終わるのを待っていると、「今日さ、寿司食べに行ったんだけどいくらだと思う?」と聞いてきた。
私が苦手とする質問だ。

物心がついた頃から父親に色々なお店に連れて行ってもらっており、家族+父親の運転手さん合わせて10万を超えることは珍しくなく、父とハル(姉の子)と3人での焼肉でさえ10万円近いことが当たり前だった。
めちゃくちゃな姉とは違い金銭感覚は周りとずれていないと思うが、外食に関しては【標準】が分からない。

この時も(いくらから高額になるんやろ?こうやって聞くってことは高いって事やんな?)と答えに困り返事ができずにいると「回らない寿司を男4人でだよ」と付け足す。
(余計わからん…。)
色々と考えたが全く分からない。
実際の金額より上回ってはいけないし、安過ぎてもいけないと「えー、分からん。なんぼ?」
最終的にそう答えていた。
「6万円超えてるんだよ!しかも、支払うの俺!!」と言う。
(男性4人で6万は高いんや…。覚えとこ)と脳内にメモをしつつZが望む返事をする。
「たっか!!」と。
「でしょ?俺が払うのわかってるから運転手もすげー食うからね。普通払ってもらうなら遠慮しない?」と言われ「そうなんかなー?」と濁した返事をしたが、「自分で払えないなら遠慮しないとだめでしょ!」等言い続けていた。


その後、顔のお手入れをしていつも通り寝転びながら話をしたり、一緒にZのiPhoneでYouTubeを見たりして眠りについた。

翌朝Zのアラームで目を覚ます。
バス移動の為送迎の必要がなく、洗顔等を済ませベッドに座っていると浴衣を着るだけとなった状態のZがベッドに寝転び私を呼ぶ。
隣で寝転ぼうとしたが自分のお腹をポンポンと叩き「こっち」と言う。
Zの上に乗り少し話をしていると「ねぇ、口でして」と言われた。
断る理由もないので「うん」と体をZの下半身部分に移動させトランクスをずらし、手で支え口に咥える。
Zは「そう、そう。上手になったよね」と言いながら私の頭を持ち動かす。
そのうちにZの息遣いが荒くなり私の口の中に出した。
出されたものを飲み込み、ペットボトルのお茶で口の中をゆすぐとスッキリしたZはありがとうと私を抱きしめ、浴衣に着替え巡業セットと鞄を持ち出かけた。