この日のホテルは自宅から30分程度で行けるためゆっくりと過ごし、チェックインの時間(15:00)に到着するように家を出る。

隣接する商業施設の駐車場と提携しているため、キャリーを持っての移動が何気にしんどかった。

チェックインを済ませ入室し、ベッドの上でゴロゴロしているとジェヨンから『17:00には大学の人たちと別行動ができるみたい』とカカオが届く。
『私何時に出れるかわからんねんけど大丈夫?』
『大丈夫だよ。ホテルに戻って待ってる』
『ホテル何駅の近くとかわかる?』
『なんばです』
『私が難波行くわ。ホテルまでお迎えに行くしホテル名教えてー。何食べたい?』
『◎◎ホテルです。以前連れて行ってくれたラーメンが食べたい。難波からは遠いですか?』
『私のおすすめのとこ?あそこ難波やで!』
と、ジェヨンが行きたいお店が難波だったので、待ち合わせ場所とお店だけは早々と決定した。


△×県からホテルまでは高速に乗れば1時間ほどで到着するはずなので、16:30を過ぎた頃から準備をしながらZからの連絡を待っていた。

16:55『やっぱりご飯から帰ってきてからになるかも』と、私の部屋には寄らずにご飯に行くという内容のLINEが届く。
(どないやねん?待ってたし、ジェヨン待たしてるのに…)と、Zにとっても致し方ない事かもしれないが(私振り回され過ぎやん)と、少しムカッとしてしまう。
『わかった‼︎じゃあ、もう少ししたら出掛けてくる⭐︎』と返事をした。





すぐに【乗換案内】のアプリで乗れそうな時間の電車を検索しジェヨンに知らせる。
部屋を出た瞬間『私も準備するね。難波駅さっき通ったから行けると思う。ホテルに来てもらうのは悪いので駅で待ち合わせしましょう』と返事があった。

ジェヨンとも頻繁に連絡をとり、電話もしていたが【東京←→大阪】で離れており会うのは久しぶりだった為、急に嬉しさが込み上げ誰もいない通路でよく分からない鼻歌を歌いながらエレベータに向かっていた。
エレベーターに近付いた時、私から死角になっていた場所でホテルの備え付けの電話を使用している力士がいる事に気付く。
私の鼻歌の声が大きかったのか力士も私に気付きこっちを見ていた。
(やっば、はっず)と顔を背けようとしたが、力士が驚いた表情で2度見してきた。

・・・Zと仲良くなるかなり前、唐突に「連絡先教えて?ご飯行こうよ。俺のLINEのID⚪︎⚪︎⚪︎だよ。」と誘ってきた関取だった。
(え?何なんこいつ)と思い「すみません」とその場を離れて以来の再会。
ホテルの電話で誰かと話しながらずっと見てくる。
(そら、何で私がここおんねん?ってなるよな)と思いつつ【初めまして】のふりを決め込みエレベーターの【↓】のボタンを押下し1階へ降りた。