『今池よ~ろぴ庵』 with 上野茂都
12月26日(月)名古屋・TOKUZO
年も押し迫った、、世の中の人が一番忙しいのではないかと思われるような、12月の最後の月曜日。
それにチャレンジするかのような、まさしく異色の組み合わせ。
TOKUZOのスタッフ、林イズミさんの企画。
上野茂都さんは、三味線片手に各地で小唄の調子で歌を歌っていらっしゃるとても不思議な方です。
歌い手でもあり、多摩美術大学の非常勤講師もされている、美術家です。
ミュージシャンというよりも、アーティスト、ですね。
この不思議な組み合わせ。
どんな科学反応が起こるのかとても楽しみでしたが、個人的には、ザッハトルテにとってはとても良い企画だったと、つくづく思えました。
個人的な感覚ですが、音楽とは音と音の隙間がどのくらいあるか、が、一番の個性であり魅力だと思うんです。
それはリズムとなり、メロディとなり、それが人の吐息に混じり、私たちの耳や身体に聴こえてきます。
その隙間の好みは人それぞれだと思いますが、
年を重ねるとその隙間が美しい個性となります。
ザッハトルテも30代、
そろそろ、ザッハトルテなりの隙間の魅力を見せられるようになれば素敵なのにな。
と、そう思ってきました。
そういう事が見せられるようになると、ザッハトルテの新たな一面、
きっと、ザッハトルテの新しい形のメロディライン、そしてリズム、グルーヴが出てくるのではないかと。
実際のところ、上野さんと演奏をするザッハトルテのメンバーは緊張していたように思います。
それぞれが演奏のやりかたを模索している感じでした。
結果、アコーディオンからは一瞬とても美しいメロディラインが出て来ていました。
チェロからは、しゃべりすぎないように心がけた音が、かえって喋りすぎたような音が聴こえてきました。
いつも隙間だらけを目指すウエッコは、思っていた通り、歌ってました。
これがザッハトルテの個性かな、と。
年長の上野茂都さんが、とても謙虚にザッハトルテの音楽を受け入れてくださったおかげです。
ザッハトルテはこういう年長の方達との出会いが恵まれていますね。
今年はザッハトルテは年間110回以上はステージで演奏しています。
その1年間積み重ねてきた音が、12月になって響いてきました。
彼らの来年がとても楽しみになってきました。
12月の一番忙しい中、TOKUZOに集まってくださった皆さん、本当にありがとうございます。
そして、今回の企画を発案してくれた、林イズミさん、ありがとうございます。
そしてTOKUZOの音響をやってくれたサトルくん(彼の丁寧な仕事ににとても助けられました)。
やはりライブというのは、お客さん、スタッフ、演奏者、みなが役者ぞろいでないと、成立しないですし、楽しいものにはなりませんね。そういうことを実感した、名古屋の夜でした。