酢豚を思うさま食べ歩く旅は順調に思えた。
しかし、目当ての店を訪れた俺の目に、
信じられない光景が映った。
店が・・・跡形も無く破壊されていたのだ。
「いったい誰がこんな酷いことを?」
次の瞬間、何かが俺を頬をかすめ、地面に突き刺さった。
「や、矢文かっ!」
結ばれた手紙には、こう書いてあった。
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今すぐ旅を中止しろ!
次は、この程度の犠牲では済まないぞ。
秘密結社
回鍋肉を中華一番人気にするの団
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新手のテロ組織か?なぜ俺を狙う?
正体は不明だが、危険な連中であることに間違いはない。
とりあえずこの場を離れよう。
俺は急いで横川へ向かった。
・・・・・・・・・・・・
「華味」は駅から少し離れた場所にある。
定食は酢豚、エビチリ、八宝菜、青椒牛肉で750円。
日替り700円は牛肉のオイスターソース(値段は税込)。
ご飯、サラダ、スープお替り自由。
ホットコーヒーもサービスとは太っ腹だ。
中国人夫婦らしき男女が切り盛りする店内は、
奥に小上がりの座敷もあり、意外と広い。
酢豚にはデカイ肉がゴロゴロ入っているぞ。
玉ネギ、ニンジン、木耳、ピーマンも
バランスよく投入され、なかなかの豪華版。
甘酢あんは片栗のとろみが強く、もったりしているが、
酢豚は肉料理なんだと実感できる一皿だ。
これで750円はお得だな。
ご飯を半分だけお替りしたら、もう満腹。
店を出たところで、俺の前に立ちふさがったのは
黒ずくめの男たち。
「組織の奴らか!?」
だが、こんなこともあろうかと、
懐に忍ばせておいた煙玉を地面に叩きつけた。
辺り一面に煙が立ち込め、銃声が響いた。
・・・・・・・・・・・・
窮地を脱した俺は、三日三晩、走り続けた。
疲労で足がもつれ、倒れこんだ視線の先に、
一軒の中華料理店。
そういえば、水しか飲んでなかったな。
空腹に耐えかね、吸い込まれるように入店。
カウンター席に座るよう指示された。
おっ、酢豚定食があるじゃないか!
850円(税込)と高めなので、期待できそうだ。
テーブルとカウンターのみの小さな店かと思ったが、
奥には広い座敷もあり、
サラリーマンのグループがぞろぞろと入っていく。
酢豚定食が来た!
う・・・なんだかショボくないか?
小さな肉片が4切のみ。玉ネギは皮のように薄っぺら。
コレで850円も取るのか?
甘酢あんはメリハリの無い味。
スープ、サラダ、小鉢も寂しい限り。
「ご飯はお替りできますよ」と言われたが、
オカズが全然足りねーよ。
しかし、料理よりも許せないことがある。
カウンター席の後ろが通路になっていて、
人が通るたびに椅子の足をコツンコツンと蹴飛ばしていくのだ。
無神経な客だけならまだしも、
店の人間が100%の確率で蹴飛ばしていく。
ぶつからなければ通れないほど狭くはないし、
こちらも気を遣って椅子を引いているのにだ。
これじゃあ落ち着いて(コツン!)食事が(コツン!)
おい(コツン!)もしかして(コツン!)わざとじゃ(コツン!)
ないだろうな?(コツン!コツン!コツン!・・・)
「うわあああああああああああああああああああああ!」
カウンターに千円札を叩きつけ、俺は店を飛び出した。
このままでは精神が崩壊してしまう。
もしや、あれも組織の仕業なのか?
街行く人間たち全員が敵に思えてならない。
クソッ!俺はいったい、どこへ逃げればいいのだ。
[店舗データ]
店名:華味
住所:広島市西区楠木1-11-17 第一原本ビル 1F(地図)
営業時間:11:00~15:00 17:00~24:00
定休日:無休
訪問日:2015/04/20
[店舗データ]
店名:中国食堂 八八(ハチハチ)
住所:広島市中区幟町11-3 今西ビル 1F(地図)
営業時間:11:30~14:00 17:30~23:00
定休日:日曜
訪問日:2015/04/24









