見積もり「経験」「勘」でやっている、
というのが現実です。

定価を決められない業者の場合は、
お客様の注文の度に、注文内容に応じて、
見積もりを作成しなければなりません。
これがなかなか面倒です。

担当者によっても見積もりは変わりますし、はたまた、
過去の見積もりと金額の面で整合性がとれていないこともあり、
お客様もよく覚えているもので、すぐにツッコミが入ります。…。

そういう背景を踏まえ、会社では大抵、
大雑把に入力すればパパッと金額を計算してくれる
「見積もりソフト」「見積もりシート」のようなものを
用意しています。が、それらは、

仕組みとして、必要な材料や工数を入力すれば
予め指定された重みを掛け合わせて合算し
見積もり金額を算出する、という単純なものです。

結局、計算の元となる材料の発注量や工数については、
その都度その都度、人間が予測していかなければならず、つまり、
「経験」「勘」に頼らざるを得ない部分がある、ということです。

もし見積もりを少なくしすぎれば損失となりますし、
だからと言って、多く見積もりすぎれば
お客様からクレームを受けてしまいます。
そして、
一度でも少なく見積もってお客様に提示してしまうと、

「えっ?前回は○○円だったのになぜ?」
となり、正当な金額であるにも関わらず、
お客様に対して“言い訳”しなければならなくなります。

よって見積もりは、お客様の顔色もうかがいながら、
職人の経験や勘に頼って算出しなければなりません。

技術革新、AIの導入が進むにつれ、
職人の経験や勘が必要とされなくなりつつありますが、
意外とこういった面で職人が必要とされているのです。
見積もりも「職人技」の一つと言えなくもありません。

(続)