昭和新撰江戸三十三観音札所第二十四番・梅窓院(ばいそういん)《過去のブログ記事より》 | 石川鏡介の旅ブログ

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四国霊場会公認先達(権中先達)&秩父観音札所連合会公認先達です。四国霊場を中心に、古寺名刹、神社、城跡、名所旧跡。さまざまな旅の思い出を綴ります。

 

 昭和新撰江戸三十三観音札所の第二十四番は、梅窓院(ばいそういん)といいます。正式には長青山梅窓院といい、宗派は浄土宗、札所本尊は泰平観世音菩薩、所在地は港区南青山二丁目の二十六の三十八、最寄駅は地下鉄銀座線(東京メトロ)外苑前駅です。

 二十二番札所が港区西麻布にあり、二十三番札所が文京区向丘にあり、この二十四番札所は港区南青山にあるので、順番通りに参詣するのは不便で、むしろ二十三番を十番の直後にでも行き、二十二番参詣のすぐ後で二十四番へ向かうのが良いと思われます。私の場合、まず二十二番の後で二十四番へ行き、その後で二十三番へ向かい、そこから地下鉄で二十五番方面へ向かいました。

 二十四番札所梅窓院は外苑前駅のすぐ近くにあります。細い参道の入り口は青山通りに面しており、この細い参道の両脇には竹が並んでいます。ビルが林立している中ですが、そこだけ静かな空間を演出しているかのようです。

 創建は江戸時代の寛永二十年(西暦一六四三年)のこと。譜代大名で、ときの老中だった青山大蔵少輔幸成の菩提寺として、青山家の下屋敷の一部だったこの土地に、増上寺の観智国師を開山として建てられたということです。「梅窓院」の名は青山幸成の法名の中の「梅窓院」からとったものだそうです。

 札所本尊の「泰平観世音菩薩」は、お寺の説明によると、もともとは鑑真和上が中国大陸より招来したもので、長らく、奈良の東大寺大仏殿に奉安されていたが、源頼義・義家父子が奥州の前九年の役の戦いに赴く際、念持仏とした。そして戦が終わって、泰平になったからと、「泰平観音」と名付けた。さらにその後、大名の南部家に伝えられ、江戸時代、南部家の姫が青山家に嫁いだ際、「お内仏」として青山家の仏間に安置されることとなり、梅窓院が伽藍の整備で規模が拡大されるとともに観音堂を建設し、そこに泰平観音を安置した。以来、「青山のお観音さま」と呼ばれ、江戸庶民の信仰をあつめた、ということです。

(2012年3月21日の「石川鏡介のブログ」の記事を再編集)

 

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