脈も下がり、血圧も下がり
母の終末期はゆるゆるとその終着点に向かっています。

父を見送った疲れも癒えぬまま、
母の様子が気になり
面会に行ったときの出来事です。


その日の面会にはワタシの娘が一緒だった。



娘が出てくる記事は以下


母の並びのベッドの患者がしきりに『おしっこ!おしっこ!』とか細い声を上げている。


ここは認知症病棟。 

用事があってもナースコールは押せない。

母のベッドにはナースコールはない。


娘と顔を見合わせ、ヒトを呼ぼうとした。


その矢先、だれかが入って来る気配がするやいなや  


バカ‼️


と大きな声が。



看護師だ。


患者は、おむつを取っていたらしい。


看護師は続けて


おしっこは管に入るからいいの。

だから触らないで。

何回言えば分かるの?このバカは。

またやったら余計なものを着せるからね。


患者に対して医療者がバカというのを

ワタシはこのとき初めて聞いた。





すると別の入院患者が、

自分が怒られていると勘違いし、 


ごめんなさいを繰り返し言った。


あんたのことじゃない。

このバカに言ってんの


カーテン越しに

このおぞましいやりとりを聞いて

体が震えた。




母は

こんな暴言を聞きながら

終末期を過ごしていたのか。



母を在宅で看取る気持ちが揺るがないものになったのは

『バカ!』というこのことばのおかげ。


病院の担当窓口にすぐに連絡を入れた


『退院して在宅で看取ります』


 ​🏥


ここは精神病院

ちなみに玄関に掲げられたその理念には

患者様の尊厳を守る、とある。