重度認知症の父

老人ホームから救急搬送された🚑

一昨日は変わらない様子だったのに。


ベッド上で目を見開き

息も絶え絶えだったそうだ。


たまたまスタッフが訪室したことで

命は繋がった。


誤嚥性肺炎疑いで入院。



そして、終末期で入院中の母

苦悶の表情はなく穏やかに過ごしている。



​🪑


救急外来の固い椅子に座りながら

ふと思う。


夫婦はともに手を取り合って

三途の川を渡ろうとしているのか?


イヤ、それはないな‥‥


認知症を発症した父

そのうなだれた背中を力一杯に叩きながら

母はこう叫んだ。

『なんでボケたんだ‼️あたしの人生をめちゃくちゃにするつもりか‼️』


父の一切を看ると決意した瞬間だった。


それから10年。



夫婦は今

それぞれにそれぞれの病院に身を置く。


地図を見ると夫婦の距離は直線で20Km


互いにその存在は忘れているが、

彼らの発する何かが共鳴し合っているのでは?


イヤ、それもないな‥‥


イヤ、意外とあるかも⁉️


だったらせめて

最期、苦しむ時間がないように

互いに思いやって

念を送ってよ


そう思いながら

救急外来の待合でひとり

長い時間を過ごした。