ワタシが住んでいるのは山林原野を切り開いて宅地造成した街
地主さん達が土地をそれぞれの事業者に売却してできた街
地主さんに篤志家が多いのか
たくさんの老人ホーム、グループホームがある
10件とまではいかないが‥‥
その中の一つ、住宅型有料にワタシは勤務していた
なので街中で
入居者を時々見かける
ある時、職員に車椅子を押されて買い物同行してもらっている入居者を見かけた
わぁ痩せたなぁ
思わずつぶやく
マスクしていて表情はわからないが
一回り小さくなった身体に
歳月の流れを感じた
買い物が好きな方なので
まだこうして実現できていて良かったと思う
また別の日
街中で背中を丸めながら
杖をついて独り歩く男性を見かけた
かなりゆっくりな歩行
マスクの上に光る眼光は鋭い
あ、あの方だ
生きておられたのか
当時70代
肝がんで余命宣告を受けていた
その方の部屋は物品が雑然と置かれ
「がんが消えた」のようなタイトルの書籍が積み上げられていた📚
健康器具も所狭しと並んでいた
よく部屋で生姜をすりおろしていた
「がんに効くんだよ」と言いながら‥‥
「俺はまだまだ生きていたいんだ」
病を感じさせないくらいに生きることに固執し
エネルギッシュだった方
病に勝ち、生き延びていたのだ
だけど
今は老化の波が押し寄せている🌊
次々と人に追い越されながら
前を見据えゆっくりゆっくり歩を進める
80代となった男性の背中が
そう物語っていた