交番に向かおうとした矢先、
所長の携帯電話が鳴った
『そうですか‼️』
歓喜の声を上げる所長。
あー見つかったのだ、と全身の力が抜ける。
電話はデイサービスのスタッフから。
今、ご本人を送迎車に乗せた。今日はデイサービスで過ごしていただく旨。
取り急ぎの連絡だったためか、詳細はまったく分からない。
ゆとり世代はゆとり世代に戻り、
所長『どうやって見つかったんですかねー❓』と
のんびり口調。
わたし『お怪我はなかったんですか?』
せっかちおばさんは色々心配なのよ。
所長『どうなんですかねー❓』
発見の経緯は、こうだ。
百里様(仮名)のデイサービスAの系列のデイサービスBの送迎スタッフが発見してくれた。
送迎勤務中ご本人が佇んでいるのをたまたま見かけたという。
このスタッフ、百里様と関わりはないが、たまたまデイサービスAに用事があって行ったときに
熱唱する百里様を見かけていて
印象深く、覚えていた‼️
送迎車を止めて保護した。
というもの。
まさに、
『歌』によって発見してもらえたのだ。
われわれの訪問介護事業所にケアマネから伝達があったのはこれだけ。
発見場所、発見時の様子について情報共有をもとめるが、ケアマネも知らないと言う。
そんなことある?
何かあったのかな?
徘徊翌朝のサービスを担当。
少々お疲れだが、相変わらず歌唱されている。
怪我もなく、お元気だ。
棚のお兄様とご主人の遺影をふと見る。
きっと百里様を守って見つかるようにしてくれたのだろう。
あれほど動かなかったケアマネ、後見人も、特養入居へ向けて舵を切った。
ショートステイを繰り返しながら、この徘徊から三月ほどで入居が決まった。
今も、変わらず
笑顔で大阪ラプソディを歌われているのだろうか。
そして‥
わたしは、この方を思い出しながら大阪ラプソディを口ずさんでいる