目の前の利用者が急に涙ぐむ。


『何のために生きているのか、分からない』


そんな時は、腰をかがめ傾聴。


会話の合間で、其の方の頑張りを讃える。


リハビリを頑張っている、とか

お一人で家を守っている、とか


そんなことくらいしか、わたしにはできない。





人生は長さも含め一律ではない。


入院時、周りはさまざまな自己免疫疾患の女性の大部屋だった。


小さい子どもを姑に見てもらっての入院。

かわいいぬいぐるみを持参してきた10代。

孫の話をする人。


さまざま。


完治は見込めない。


いずれもが、症状を安定させるため、家に帰るため、生きるための入院。



では、何のために生きるのだろう⁇



道端に咲く雑草と呼ばれる花の美しさ

ふと見上げた空の美しさ

薫風を受け深呼吸した時の清々しさ


これらを感じるために生きている?⁇



何のために生きるのかを

考えるために

生きている。