本能寺の境内でフランス革命と農民一揆を見ているようだった。
10年前ならこうはならなかったはず。
ある日を境に所長が来なくなった。正確には調査のため来れなくなった。
ある社員が本社に所長を訴えたから。
おもに、パワーハラスメントで。
所長不在は異常事態である。直接連絡を取りたいケアマネ、ご家族もいるはず。
業務に支障が出始めようやく中継ぎ所長が来た。
が、この時点でも、ヘルパー達には公式に説明はない。
現場で私が想像していた事態になった。
利用者ご家族から
『相談事があり、○○さん(パワハラ所長)から連絡をもらいたい』と言われたのだ。
中継ぎ所長に、模範回答の提示を要求。
『○○は療養のためしばらくお休み』
対外的にはこれで統一。
が、コロナ禍もあり、あからさまな不審の声も現場で聞かれた。
『○○さん、一体どこが悪いんですか?』
めんどーなことには巻き込まれたくなかった私は、ただただ本能寺の境内で佇んでいた。
がしかし、
所長不在からひと月、人事部から私に面談の要請がきたのだった。