昨年のちょうど今頃。


訪問介護士として担当していた方が亡くなった。

死因は熱中症。


死の直前、訪問を2回キャンセルされていた。

ご本人から事務所に電話がかかってきたそうだ。



当時、上司にその理由を尋ねたが、ご本人からは

『下痢している』とのワードが出たそうだ。


上司がご本人のこの発言をどこまで深刻にとらえ、ケアマネや息子さんにどう報告したのか?


酷暑の最中の下痢。

聞いただけでも危険を感じる。


高齢者から

『下痢している』と聞いたら

いつからなのか?

朝からトイレに何回行ったか?

腹痛の有無、お通じの様態

水分補給は?


などフツーに気になるのがプロ。


当時の所長はどう対応したのだろう?



ちなみにこの方のキーパーソンは定年した息子さんであった。

現場で何度かお会いしたが、お母様を尋ねる日時を『◯曜日の△時』と決めていて

緊急の訪問はしていない様子だった。


また、お嫁さんの姿はまったく見られなかった。母の日のカードには『◯子より』とその名前が書いてあり、その存在はあるのだと感じたくらい。


親を亡くした今、

室内で息をしていない親を見たときの息子さんの衝撃はいかばかりであったかと改めて思う。


どこかで何かが違っていれば。

誰かが深く考えていれば。

暑さで命を落とすことはなかったのに。


目の前で消えゆく親の命を見守り、

身体を触り言葉を掛けることができたワタシは

幸運なのかもしれない。