正確な時間は 覚えていないが
病院に運ばれてから数時間は経った頃
ようやくワタシの問いかけに反応した。


目をゆっくり開け オットがか細い声で 口にしたのは

しごとー


だった。



大丈夫。
上司の方には 連絡して 休みをもらってるから。
仕事のことは気にせず 大事にしてください
って言ってたよ。


と伝えると
涙を流したオット。
こんな時でも そりゃ仕事は気になるよね。
やらなきゃいけないことが 溜まっていたのかもしれない。


ようやく意識を取り戻したオットを見て
一安心は したものの
また鬱病か。



涙を流したまま また目を閉じるオットを前に


しごとー
ってあなた、その仕事にまた行けなくなるんじゃないでしょーねー

って心の中で言っていた。
口にはしないけど。


この予感は 見事に的中していく。