ようやく新しい生活環境に慣れてきた気がする。リズムができてきた感じ。元々良く寝る人ではあったけど、最近は前にも増して良く寝るようになった。22時には、ほぼ寝ている。そして朝はだいたい5時には目が覚める。きわめて健康的な日々である。

以前働いていた頃には朝のテレビ番組をちゃんと見る余裕なんてなかったので気づかなかったんだけど、朝早い時間帯のテレビは、どこもかしこも通販番組だ。これ、ちゃんと見ると結構面白い。

商品に感心したり、そこに出演している昔の芸能人の姿を懐かしく見られるとか楽しめる。彼らのその変貌ぶりに時代の流れを痛感し、商品を絶賛する不自然なコメントを聞くのもまた楽しい。売られているものは、いかにも早起き老人たちが欲しいなと思うものが多い。湿気対策とか、これ1つでしわもシミも改善するクリームとか、あら不思議、1本であらゆるものがきれいになる洗剤などなど。またその効果を目で見せるための実験にも創意工夫がなされていて、これを考えるのも苦労があるんだろうなぁって思う。とりあえず、朝起きたばかりのぼーっとした頭の状態で見ていると、どれもすごくいいものに見えてくる。これって危険だ。

そんな事を思っていたら、これまたタイムリーに、あさイチでネット上での「ダークパターン」というものの説明をしていた。時間制限を設けたり、限定をうたって購入を促してしまうことらしい。これは痛いところをつかれてしまった。別にネットだけじゃなく、「限定」と言う単語は私の好物である。ご当地限定、この番組限定、季節限定などなど。今だけ、ここだけ、危ないよねぇ…。まぁ「あなただけ」に弱いのは老若男女問わないと思う。

一人暮らしの老人が通販にはまってしまい、気が付いたら家の中に色々な商品がたまっていて大変だったという話はよく聞く。孤独な老人にとって、朝の通販番組はどこか自分も仲間に入れる雰囲気がするんじゃないだろうか。それも今だけ、あなただけが得するんですよと言われた気分になれば、思わず電話をしてしまうのも否定はできない気もする。しかも電話をすれば親切なオペレーターと話もできるのだ。一人暮らしをしていると丸々1日声を出して会話しない日が多い。声のきれいなオペレーターとの会話は、誰かと話したい気持ちの掃き出し口にもなってくれるはずだ。

そんな風に気をつけなくちゃねと思いながら、朝、テレビを観ていたら腰痛対策の腹巻(っていう言い方も何だけど…)を売っていた。腰の部分に強い磁石が貼ってあるものだ。前日、倒れそうになった自転車を支えようとしっかり腰を痛めた私からすれば、え、見てたの?と言いたくなるタイミングである。勿論、購入したのは言うまでもない。ホント、危険だ…。