いつも元気で明るいその子は、よく気が利いてコロコロ笑うかわいらしい子だった。
そんな印象。
いつも仏頂面の雪村を唯一優しい顔にする子。
陰と陽みたいで、なんだかおかしな取り合わせだったけど、何回かしかあったことないし別にどうでもいいかぐらいだった。
久しぶりに会ったその子はびしょぬれでひどい姿だった。
捨て犬みたいであんまりにもかわいそうだったから、とりあえず拾ってきた。
シャワーを浴びて少し落ち着いた様子のその子は、もう女だった。
俺の服を着替えに渡したとき、もう少し考えればよかったんだ。バカ!俺ほんとバカ!!
ぶかぶかのTシャツだったけど、素肌に来ているんだろう彼女の胸元には二つの突起が透けていた。
いかんいかん、これは雪村のもんだ。
それに弱った女に付け込んで自分のものにするなんて、男としてあってはならん!
そう思って、なるべく彼女の方を見ないように話を聞いていたはずだった。
子供のような泣き顔、無邪気な動作、さわやかの中にすこしだけ妖しさが混じった笑顔。
雪村が手放したのなら、もう自由にしていいよね。
強引に押し倒した割にはあまり抵抗しない彼女の目は真っ赤で、ずっと泣いていたんだと思った。
傷ついたんだろうな、雪村がよほど好きだったんだろうな。
なるべく優しく・・・と思っても俺の体は欲望のままに進んでいく。
あ、ごめん。と思ったその時はもうすでに彼女の中だった。
「やべ」
なんだ?
これはなんだ??
え???
動いてなんぼのスポーツだと思っていた。
いろんな女を落とし、激しく動いて女を翻弄し、最後に赦しを乞わせてゴールだと。。
なんだこれは?
動かずに中にいるだけで、下腹部がいてもたってもいられなくなる。
そして少し動くと、あっという間に果てそうになる。
俺は初めて体験するその感覚に感動しながら没頭した。
俺は出会ってしまったのだと思った。
俺が昔から夢見ていた「ウンメイノヒト」に!!!
次の日、目覚めると彼女の姿はそこになかった。
机の上には小さなメモが一つ。
「槙さんへ いろいろすっきりしました。ありがとうございました!沙紀」
そこには連絡先などない。
彼女とつながるすべは・・・ない。
すっきり??
俺は・・・・やり逃げされたのか???
大きな男が、生まれたばかりの姿で部屋の真ん中に立ち尽くしていた。