胸が苦しくて目覚めると、そこには太い丸太がのっていた。

 

・・・・・違う。これは腕だ。

 

 

この上での持ち主を探すと、すぐ隣で健やかに眠る槙の顔があった。

とても気持ちよさそうだ。きっといい夢でも見ているんだろう。

 

沙紀は起こさないようにゆっくりと丸太の下から抜け出した。

体中が痛い。

昨日はなんていうか・・・・すごい夜だった。

久しぶりに運動部でしごかれた後のような筋肉痛。

槙さんは、いろいろ、すごい。。

 

昨夜のことを思い出すと、恥ずかしさとともに驚きのような感情が湧き上がってくる。

 

組み敷かれ、槙の優しいキスに翻弄されていたら、いつの間にか借りた服ははぎ取られ裸にされていたのだ。

ちょっとまって、という暇もなく、貫かれた。

でもそれは全く苦しさを感じるものではなく、むしろ初めて体験するここちよさがあった。

 

もともとこういった行為がすごく好きなわけではない沙紀。

女子にありがちな「好きな人と一つになれる喜び」という行為だと思っており、そこに動物的な快楽は伴わないと思っていた。

 

だが、昨日は違った。

なんと表現すればいいのか・・・。

 

沙紀は乾かしてもらっていた服をバスルームで着ると、見られるレベルに髪を整え顔を洗い、リビングへ戻る。

そして全く起きる気配がない槙の顔を見ると、ふと思いついた。

「凸と、凹・・・・?」

ぴったりして気持ちいい、これが一番しっくりくるかもしれない。

 

体も心もすっきりした沙紀は、なんだか笑い出したい気分だった。

いつまでも雪村を引きずって身が入らないせいで教授に厳しいことを言われ、東京に来た意味を見失っていた昨日の沙紀とは別人のようだ。

 

どれもこれも・・・・

 

「槙さんのおかげだ。」

 

沙紀は槙に向かって深くお辞儀をすると、小さな声で「ありがとうございました!」といい部屋を後にした。