「おはよ!」
教室で沙紀に声をかけた桃は驚きで心臓が止まるかと思った。
「何?沙紀???その顔どうしたの????」
昨日考えすぎて全く眠れなかった沙紀の顔は、まるでゾンビのようだったのだ。

まずは璃子に相談しようかとも思った。
だが璃子は奥手だ。透もああ見えて奥手だ。
話の流れからするとキスもそんなにしていない。
恋多き女、桃がここにいるということは神様が桃に聞けと言っているのかもしれない!
よくわからない理由を振りかざし、沙紀は桃に相談してみることにした。

「わたし経験済だよ。」
笑いながらサラッといった桃、彼氏がいるなんて聞いたことがない。
「誰と??」
「初めては、中学二年の時の先輩。学校のアイドルみたいな超イケメンの先輩で、付き合ってなかったけど初めてならこの人かなーーって!」


驚愕しかなかった。
エッチとは、そんなノリでするものだったのか???

好意を寄せあう男女が、愛し愛され、その末に思いの丈を伝え合うために行う行為なのでは!?


ところが桃の爆弾発言はとどまるところを知らない。
「バスケ部の北原先輩ともこの前しちゃった♪彼女はいらないって言ってたけどー、先輩の特別になれたみたいで満足!」
桃が無邪気に話すだけに、沙紀には何といえばいいかわからなくなった。
だが、沙紀の必要な情報はそこではない。
「初めてって・・・どんな感じだった?」

「そりゃー痛かったよー。」
「○○を××して・・・」
「△△を触ると・・・」
「終わった後の・・・・」

情報が増えれば増えるほど、桃の声が遠くなっていくようだった。

キャパシティオーバー。

沙紀の頭の中は強制終了寸前だった。