その週は寒波が到来しており、例年に増して寒かった。
イルミネーションデートを心待ちにしていた沙紀は、今ベッドの中にいる。
ピピピ
体温計が鳴った
表示を見ると「38.2℃」
「終わった・・・・」
沙紀は自分の体が恨めしかった。
前日の夜、デートのことを考えすぎて長風呂してしまったのがいけなかった。体中がボカボカしていたので、まずはアイスを食べた。部屋に戻ってもまだ暑かったので、外の空気を入れようと窓を少し開けたのだ。そしてそれを忘れてうっかりベッドでうたた寝をしてしまい・・・・今に至る。
風邪をひいたことを隠して、そのままデートに行ってしまおうかとも思った。
でもきっと楽しめないし、雪村に迷惑をかけてしまうかもしれない。それにもし雪村に風邪をうつしちゃったら・・・・。
沙紀はあきらめて雪村にメッセージを送った。
「風邪ひいちゃった・・・。ごめんなさい。。」
すると少しして携帯が震えた。
雪村からだ。
「何度あるの?」
素直に表示された体温を送る沙紀。
・・・・・そのまま携帯は静かなままだ。
「きっと雪村くん、呆れてるよね。。」
頭が少し痛いのと、せっかくのデートが流れてしまったということもあり、沙紀は泣きたい気持ちになった。
あいにく今日は朝から両親が旅行の予定で、出かけに風邪をひいていることを知った母は「ちゃんと寝てなさいよ~」とおかゆを作ってくれたけど、そのまま手を振り行ってしまった。
兄である海斗に至っては「デート!とか言って浮かれてるから熱出すんじゃねーの?フフン」と鼻で笑う始末だ。
いったいうちの家族はなんという薄情者の集まりなんだろう。
ぷりぷりしながらも、沙紀はいつの間にか眠りに落ちていった。
ーーーーーポーーン
ーーーンポーーン
遠くからインターホンの音がする。時計を見ると、もうお昼だ。
ずいぶん寝ていたことになる。
汗をかいたせいか、体が少しだけ軽かった。
ピーンポーーン
お兄ちゃんいないのかな?
カーテンを開けて外を見ると、そこに立っていたのは雪村だった。