私と透は幼馴染。
家が近所なので、小さいときからずっと一緒だ。
幼稚園の時は一緒に裸でプールに入ったし、小学校ではとれたカブトムシやミミズでいじめられたし、夏休みは隣で昼寝なんかした。
いつも一緒だったし、これからもずっと一緒だと思ってた。
中学に入ると、透は学校であまり話してくれなくなった。
話しかけるとすぐに話を終わらせようとするし、しつこくすると怒ってどこかへ行ってしまう。
嫌われたんだと思った。
私はもともと恥ずかしがり屋で、自分の気持ちをちゃんと伝えることが苦手だ。それもあってか中学2年の時に派手なグループから嫌がらせを受けていた。靴を隠されたり、教科書に落書きをされたり。
もちろん嫌だったけど、我慢すればそのうちなくなるんじゃないかと思って何も言わなかった。
3学期の始業式になり新しく買ってもらった上靴、それが次の日にはボロボロになっていたのを気づいて私はしばらく下駄箱で呆然としていた。
「どうした?なんで泣いてる?」
振り返ると透だった。私の上靴を見ると、透は怒り狂って職員室に乗り込んだ。
そして「どうにかしてくれねーなら、やったヤツ全員、俺が全員ボコるからな!!」と先生に啖呵を切った。
次の日から、いじめはなくなった。私が一人になりそうなときは、なんとなく近くにいてくれた。
ある日の帰り道、透は照れ隠しなのかちょっとぶっきらぼうに言った。
「つらいことがあったら俺が守ってやるから。ちゃんと言えよ!」
それからも学校では恥ずかしがってあまり話してくれないけど、困ったときはちゃんと話を聞いてくれた。
透と高校で離れたくなかったから、私は必死で勉強してなんとか同じ高校に合格できた。
バレー部のマネージャーになって透を支えたいと思ったし、ずっとそばで見守っていたかった。
なんであんな話を聞いちゃったんだろう・・・。
部室になんていかなければよかった。
昼休みに部室の前を通ると、男子が話しているのが聞こえた。
「璃子ちゃんっておしとやかでかわいいよなぁ。透って仲いいんだろ?どうなの?」
同じクラスの木村の声が聞こえる。
「璃子はなんていうか・・・妹みたいなもんだよ!俺は4組の桃ちゃんみたいなおっぱいデカい子がいいな!!」
「透はほんとおっぱい好きだな~」
みんなの笑い声も聞こえなくなって、ようやく内容が理解できた。気持ち悪くなって、途中トイレで吐いてしまった。教室までよく戻れたなって思う。
透にとって、私は「守ってやるべき妹」だったんだ。
これまで必死で透を支えてきたし、透が好きだっていうアイドルのヘアスタイルとかメイクとかも真似てみた。
でも・・・頑張っても、だめなの?