今日は部活見学日だ。

一年生も上級生も心がうき立つ放課後、沙紀は迷いながらもバレー部男子の体育館前にいた。

「緊張するぅぅ。沙紀ちゃんほんとに男子でよかった??なんか巻き込んじゃったみたいでごめん。」

申し訳なさそうに隣に立っている璃子が平謝りしているのには訳がある。

沙紀は中学のころバレー部で県大会までいくほどの実力であったが、中学三年の春に膝を怪我してしまいバレーを続けることが難しくなってしまった。

病院では手術をすればまたバレーができるとも言われたが、受験生の沙紀にその選択肢はなかった。

自分が頓挫してしまった夢をサポートしたい!そんな理由でマネージャーになると決めたのだったが、中学からバレーをしている透を応援したい璃子に誘われ、なんとなくここに立っているわけである。

「大丈夫!女子より男子の方が絶対スピードも高さもあるし、面白いはず!」本当は女子バレーの方に行きたかったけど、ここは女の友情をとらないと!!もともと女の子との付き合いが得意ではない沙紀なりの努力を感じる。

その時、体育館のドアが勢いよく開いた。

 

「おーーーーー!!女子だぁぁぁぁぁぁ!!」

 

中から出てきたのは180cmはある坊主の強面男子、林だった。

そしてその後ろから覗いている数人の男子たちも負けじと大きい。

沙紀たちは固まっていた。コウコウセイ、コワイ。。。。

そこに美女が現れ、男子たちのすねを次々と蹴飛ばした。

「ぎゃーーーーーー!!いてぇ、、、」

転がりうずくまる大男たちをよそに、女神のような美しい顔で微笑む美女。「マネ希望かな?私、3年のマネージャーの三杉麗です。よろしくね。」

あまりの美しさにうっとりする沙紀と璃子だったが、あっという間に男子バレー部員たちに取り囲まれてしまう。

質問攻めにあいながらも少しずつ彼らの勢いに慣れてきたころ、再び体育館のドアが開いた。

入ってきたのは璃子のお目当ての透と後ろに数名。

その中に、雪村を見つける。

 

あっと思った瞬間、雪村と目が合った。

「おーー、新入部員だな!」

バレー部主将の西野先輩が声をかけた時には、もう雪村はこちらを見ていなかった。

「透、来た!」喜ぶ璃子は、沙紀の頬が赤くなっていることに気が付いていなかった。