それは、大切なことほど夫を通さずに自分の口で相手に伝えるということである。
夫を通してパーフェクトなロシア語で伝えるよりも、下手くそなロシア語で私が直接伝えた方が、最終的にはより相手に本心が伝わる。
この重要性に気づいたのは、一人目の子供を出産するためにロシアに滞在していた時。
義家族と私がお互いにまだ距離感が掴めていなかった時、
私は夫を通じて義家族に私の気持ちを伝えてもらっていた。
当時、言葉が原因で誤解を招き、関係がこじれることが非常に懸念していた。自分のロシア語に自信がなかったのもあった。
そのため、ニュアンスを正確に伝えるために、大切なことほど文法や単語が正確な夫のロシア語で伝えようとしていた。
でもこれは間違いだった。
伝言ゲームによって伝えられた言葉は、単語や文法が未熟なロシア語よりももっと頼りない。
私の本心が見えないし、会話が一方方向なのが理由だろう。
未熟なロシア語でも、身ぶり手振りしつついくらか会話の応酬があればなんとか本心が伝わるのである。
ふとこの事を思い出したのは、義家族がこの5月のGWに日本に遊びに来ると連絡がきっかけだった。
楽しみな気持ちと憂鬱な気持ちを九州に嫁いだ妹に打ち明けたら、妹も義家族とは、夫を通さず直接関係を作っているとの話がでたのだ。
国際結婚であっても、日本人同士の結婚であっても、人間同士の付き合いには変わりない。
やはり義家族とは、時間を掛けて関係を作っていくものなのだなぁと改めて感じた出来事であった。