もう桜の花がちらほらちらほら。
春はたくさんのお花が目を覚まします。
ここにいるのは雪だるまのゆきすけ。
帽子はバケツ、両手はほうきとちりとり、眉毛と口は木の板でお目目は石ころ、お鼻は人参。
そして自慢のおなかのボタンはお花の種でできています。
ゆきすけが生きられるのは雪の降る寒い時期だけ。
ゆきすけは春の訪れと共にだんだん溶けていきます。
だんだんだんだんとけて、ついにはなくなってしまいます。
でも残ったものも。
ゆきすけのおなかについていた自慢のボタン、お花の種3つ。
ボタンの種も雪解けに合わせて芽を出しました。
ポッポッポ
ゆきすけはお花になって生き続けます。
いつまでもいつまでもお庭に座って、作ってくれた兄弟を見守っています。
『雪だるま』は三部作です。同じ絵を使って物語の言葉を変えています。
一部は雪だるまの一生を客観的に。
二部は雪だるまの気持ちに焦点を当てた話に。
三部は雪だるまを作ってくれた兄弟の気持ちに焦点を当てた話に。
寒い冬に心温まる雪だるまのお話です。
『雪だるま』