" 漫画誕生 "
監督 大木萠
出演 イッセー尾形 *北澤樂天
吉岡睦雄 *近藤日出造
芹澤興人 *横山隆一
モロ師岡 *福沢諭吉
緒方賢一 *平田東助
堀口ひかる
南波翔平 *岡本一平
秋月三佳
木下愛華
篠原ともえ *北澤いの
あらすじ、ネタバレ御免
昭和十八年(1943年)
陸軍省は「撃ちてし 止まぬ」の
決戦標語ポスター等を全国に配布し、
来るべき戦争に備えての
国策準備に入っていた。
同年、漫画家たちが団結して
戦争推進に協力する
『日本漫画奉公会』が設立された。
その名誉ある
会長を務めたのは、
漫画家の始祖・北澤樂天(67歳)、
その人であった。
その総会でこんなのが出回った
誰が描いたか なんて気にしてませんよ
杉浦幸雄(32歳) 近藤日出造(35歳)は総会に欠席した
フクちゃんの横山隆一(34歳)も総会に欠席した
３人は岡本一平(57歳)の弟子
中居は愛華
その岡本一平も総会に欠席した
横山隆一(34歳)が申す
お言葉ですが
今はもう
北澤樂天の政治風刺漫画 華やかなりし頃とは
時代が逆
やりたいもやりたくないもない
仕事があれば何でも書く
北澤樂天はもう古い
*
北澤樂天の妻いの
樂天は内務省に呼ばれる
検閲作業の参考の為に
漫画における風刺表現とは何か
について古賀検閲官に教授を頼まれる
問われるままに自分の昔話
明治二十八年(1895年)
横浜で発行されていた英字新聞
「ボックス・オブ・キュリオス」社に入社
風刺画家フランク・A・ナンキベの助手を務めた後
自らも風刺画を描くようになる
明治三十二年(1899年)横濱
北澤樂天(23歳)
下宿のお手伝い三佳
樂天は福沢諭吉(64歳)に呼ばれる
初めてライスカレーを食す
諭吉はボックス社の樂天の風刺画が気に入った
樂天は時事新報の風刺画記者になる
明治三十四年(1901年)時事新報社
2月3日 福沢諭吉 脳出血で死去
樂天は風刺画を漫画と名付ける
明治三十八年(1905年)一月
いのと結婚
田吾作と杢兵衛連載
宮本外骨(38歳)が滑稽新聞を発行
旅順陥落 旅順口畧取
樂天 漫画月刊誌“東京パック”を刊行
北澤樂天は仕事に追われる
“東京パック”の売れ行き順調
月２回に刊行を増やす
弟子も作画を手伝う
弟子には
石井鶴三とか 下川凹天とか
北澤樂天は平田東助内務大臣から呼ばれる
ドイツ皇帝を風刺しドイツ大使館から苦情が来た
(芸者はひかる)
樂天の心意気に感服しお咎め無し
明治四十三年(1910年)
長野県明科(現安曇野市)で
爆弾を作っていた４人が逮捕される
それに関与したとし幸徳秋水ら26人が逮捕される
明治四十四年(1911年)
幸徳秋水らの死刑が執行される
宮本外骨は侮辱罪で禁固２ヶ月
大正元年(1912年)
岡本一平(26歳) 朝日新聞社に入社
漫画記者としてデビュー
大正十二年(1923年)
“茶目と凸坊”連載開始
昭和三年(1928)
樂天の“とんだはね子嬢”連載開始
日本で最初の少女を主人公とした連載漫画
昭和四年(1929年)
樂天はフランス大使の斡旋で パリで個展を開催
昭和十一年
横山隆一の“フクちゃん”連載開始
手塚治虫(８歳)
楽天全集に夢中
世渡りの上手い樂天も
徐々に風刺漫画界で影響力を失う
昭和十八年(1943年)
古賀検閲官は問う
北澤樂天が本当に描きたいものは何か？
昭和二十年(1945年)
樂天は東京から疎開
昭和二十二年(1947年)
手塚治虫 新宝島を発表
昭和二十三年(1948年)
樂天は故郷の埼玉県大宮に居を構える
明治から昭和にかけて
漫画の祖と呼ばれた
北澤樂天の浮き沈み
漫画と言う言葉は
江戸時代に山東京伝が初めて使い
葛飾北斎が広めた
当時 漫画と言う言葉は
戯画 風刺画を指していたが
それを現在の漫画の形に高めたのが
北澤樂天とされる
最後はだらだら
権力をおちょくる
だけが
漫画ではないが
権力に尻尾は振って欲しくない
2019年 日本映画 118分
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