" 愛のお荷物 "
監督 川島雄三
出演 山村聡
三橋達也
山田五十鈴
北原三枝
轟夕紀子
東野英治郎
殿山泰司
高友子
小田切みき
菅井きん
東恵美子
あらすじ、ネタバレ御免
日本も沢山の人の子が増えて満ち満ちている
その数凡そ8,215万人
結婚の数は 1年間に71万2526組
赤ちゃんはどんどん産まれ
戦後 死亡率は驚くべき速度で低下
人口は 1年間に592万5千人の増加
結婚予備軍の若い恋人は1836万5千人
今後の人口予想は
昭和35年には 9300万人
昭和40年には 9700万人
昭和45年 1億を突破
過剰人口の悩みは誠に深刻な段階にある
出生率の増加に適切なる措置を講じなければ
経済活動は阻害され 食料問題は益々苦しく生活水準は低下
社会不安は大きくなるに決まっている!
然るに
現政府は 掛かる重要なる人口問題に対して
如何なる考えを持っているのか!
ってな 野党の質問に対し
厚生大臣山村が答える
人口増加問題が重大危機に達しているのは同感であり
政府は 出産過剰問題に対処すべく
「受胎調節相談所設置法案」を提出する
野党菅井きん議員は
そんな生ぬるい策で お茶を濁そうとは
人口問題を本気で解決しようしているとは思えない
と もう追撃
人口流産の指導援助 堕胎罪の撤廃にまで踏み込むべきである
(堕胎罪は明治41年(1908年)に施行されて以来
現在(2021年)まで廃止されてない)
厚生大臣山村が答える
人口流産には絶対賛成できません
出来ないように努力するが文化的人間であり
出来ちゃったら産むのが人間の摂理であります
(堕胎罪は廃止されてないが
1948年に交付された母体保護法により
適切手順を踏めば堕胎は合法になっている)
その頃
山村の妻夕紀子(48歳)は産婦人科を受診
おめでたを告げられ戸惑う
3番目の子供が出来てからもう20年
その頃
山村の長男達也は
恋人三枝から妊娠したと告げられ
結婚を迫られる
三枝は厚生大臣山村の有能な秘書
達也は三枝に睨まれ
父山村に会う
重要な話をする
それは由々しい大問題
暫くは内密に
その頃
山村の長女美子は
結婚6年目にしてまだ子供なし
その頃
山村の次女友子は婚約者とデート中
美子は実家に帰る
母から子供が出来たと聞き
産んで 自分にくれと頼む
友子も帰ってくる
あら でも 丁度友子の結婚式の時期と
それとは別に
友子は兄達也と三枝の結婚には反対
さて
妻夕紀子の出産の頃は 選挙もある
山村の政治テーマは受胎調節の国家的指導管理
それが50過ぎて 酔ってうっかり出来ちゃった では
野党からの追求され 人口問題が振り出しに戻る
山村は妻夕紀子に極秘人工流産を勧める
山村は達也と三枝の結婚にも反対
場合によっては人工流産した方が
達也は三枝との結婚を母からも反対される
達也は家を出る(三枝の入れ知恵)
そして
友子も妊娠が判明
結婚式の頃には蝦蟇のようなお腹になる 困る
結婚を早めたい
兄達也に(というより三枝に)相談
*
夕紀子はとっても機嫌がいい
妊娠は誤診だった
更に
三枝を興信所に調べさせたら
それはそれは大変立派な家柄だった
一転して達也の結婚に大賛成
山村も折れる
厚生大臣山村は京都に出張
28年前馴染みだった舞妓五十鈴が会いに来る
山村の子供を産んで育てたと告げられ
東京にいるから子供に会ってくれと頼まれる
山村の父英治郎は齢八二にして まだまだ元気
が
突然倒れる(仮病)
友子は祖父が死ぬ前に結婚したいと 式を早める
内閣改造
山村は防衛庁長官になる
人口問題は関係なくなる
山村と五十鈴の息子錠一郎が会いに来る
番頭 殿山は女中みきを妊娠させた
妊娠検査の結果
夕紀子はやっぱり妊娠していた
美子も念願の妊娠
山村家は 人口急増中
妊婦5人が つわりでてんやわんや
終
お荷物か結晶かは さて置き
現在と真逆の
子沢山による人口過剰問題
この時のベビーブームが
団塊の世代を生み
老人過剰問題を生む
政治家たちのやることは
60年以上 驚く程変わってない
日本の出生数は
昭和22年(1947年)がピークで270万人
その後一旦減少するも
昭和36年頃から増加に転じ
昭和48年(1973年)が第2のピークで209万人
その後はひたすら減少を続け
2020年は87万人
出生数が減り続けても
平均寿命がどんどん伸び続け
1973年の73歳だった平均寿命は2000年には81歳
人口はなかなか減らない
日本の人口は 平均寿命が83歳になった2008年
1億2,808万人をピークにようやく減少に転じ
2020年の人口は1億2,536万人
今後も減少が続くと予想されている
少ない子供に
死なない年寄り
もはや
人口ピラミッドはビラミッドと程遠い形になり
このままでは日本は
ピラミッドが倒れるのが先か
放射性廃棄物が溢れるのが先か
問題の先送り 無責任体質は
1955年から65年間以上
変わっていないようで
蝦蟇の卵子育成ホルモンは
人間の卵子育成ホルモンと類似しているので
雌蝦蟇に妊娠中の女性の尿を注射すると産卵する
このことを利用して
蝦蟇は1960年代まで妊娠検査に利用されていた
1955年 日本映画 100分
日本の人口
人口ピラミッド
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