「 何が彼女をさうさせたか 」 | 0・・映画toほげほげ

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♪ ほげほげたらたらほげたらポン ほげほげたらたらほげたらピー ♪
★映画のほげほげ等、気まぐれ備忘録★

  " 彼女をさうさせた "

 

監督 鈴木重吉

配役 高津慶子 中村すみ子

   二條玉子 秋山秀子

   園千枝子 山田の女房

   尾崎静子 天使園々主

 

 

 あらすじ、ネタバレ御免

 

 人生は歩みなり それは死に至るまでの

 いとも 苦しき歩みなり

 

 鉛色の陰鬱な 雲が垂れ込めた ー晩秋ー

 鈍く光った線路が 果てしなく 続いている…

 それは 荒涼とした人生を 暗示するかの ように‥‥

 

 唯ひとり とぼとぼと 線路伝いに歩く ー少女ー

 中村すみ子である

 その見すぼらしさ この少女の運命を 象徴している

 淋しい顔に 光る涙…

 

 疲れが見えて来た

 風呂敷包みから 一つのパンを取り出し

 飢えたように食べる

 それは 最後の一切れだった

 

 失望の色が 鮮々と 顔に現れる

 少女はまた 歩かねばならない

 

 プツリと 下駄の鼻緒が 切れてしまう

 途方にくれる 少女ー

 

 貧しき人に 救われた ー彼女ー

 その人は、 車力の土井老人ー

まず、 ご飯をおあがり 何もかも あとにしようや

 

"いったい 何処へ 行くんだね"

"新田の町に 伯父さんが いるの

 お父さんが… この手紙を渡せば いいって…

 私の村には 学校がないの だから…

 新田の伯父さんが 学校へ行かせて くれるの"

 

 翌朝ー

 巡査に案内され 伯父の家に たどりついた ー彼女ー

 新田の伯父 ー山田勘太ー

すみ子は手紙を渡す

…永々の失業と 病気のため とても父子が 食っては行けない

 厚顔しいお願いだが すみ子を頼む‥‥

封筒にお金も入っていたので すみ子を預かる

 

"伯父さん… 学校へ直ぐに 入れて下さいね"

伯父家は子沢山で貧乏

"学校なんか 行かなくたって いい"

それからは 毎日子守

怒りっぽい伯母さん

食事は子供達の残り物

 

 

伯父さんが男を連れて来てすみ子に合わせる

"この小父さんが 教育を受けさせて くれるって…

 早く支度を しておいで"

 

 曲芸団に 売られた ー彼女ー

男は曲芸団の団長

 

曲芸団にいる大勢の団員

"僕らはみんな 家なんかない 孤児なんだよ"

すみ子伯父さんの家から拾って来た父の手紙を見せる

"これ…何て 書いてあるの 新ちゃん 読んでくれない"

"道化の 熊爺に 読んで もらおうよ

 爺さん、 すみちゃんに これを、 読んでやってよ"

爺さんは手紙を読む

"これは遺書だよ

 お前の お父さんは‥‥

 自殺したんだ… なくなっち まったんだ"

 

 時と日の流れは いつか彼女を 悲しみから 救ってくれた…

 けれど 今夜も曲芸団はー

"もう 我慢でないッ 俺達や、ろくに 飯も食えない"

新太郎すみ子に声をかける

僕も我慢できない、一緒に逃げよう"

 

 深夜 銅鑼を合図にー

団員が団長を襲う

 みんな、 逃げる

 この騒ぎに 紛れて、すみ子と慎太郎は 

 曲芸団の檻から 無事脱出したー

2人は 新太郎の 姉さんがいる 由井の町に向かう

ちょっと 道を 聞きに行く新太郎

いきなり飛び出して 車に撥ねられる 重体

 

 運命の悪戯ー それは 新太郎とすみ子を 引き離した‥‥

 

 

 一年の後… 意外な場所で 彼女を見出す ことになる…

 ある警察署ー

 詐欺の手先に 使われた ー彼女ー

"可哀そうな むすめだなア… お前は 「猿」なんだよ"

 

 一旦 彼女は 釈放されるが…

 親分の佐平に 付きまとわれ 再び猿にされる ー彼女ー

 佐平は現行犯で 逮捕され

 彼女は 安全な所として 私立の養育院に 保護される

 そこは 老人と浮浪者の ための 養護施設ー

一日中働いても 押麦五割の南京米 味噌汁と煮締

院主が ボロ儲けして 全部自分の懐に 入れている

 

すみ子は 県会議員の 秋山義雄邸へ 女中に行く

 県会議員 秋山義雄家へ 小間使いとして雇われた ー彼女ー

 

秋山の娘はわがままで 秋山の奥は厳しい

すみ子は辛抱足らず切れる

暇を出される

 かくて彼女は 再び養育院へー

 

 

 それから三年後ー

 彼女の姿は、 ある琵琶の師匠の 家に見出されたー

すみ子新太郎と再会

新太郎は、今 劇団で 働いている

 

すみ子琵琶の師匠に襲われそうになる

逃げる

新太郎の処へ

 

 新太郎との 新しい生活に 入った ー彼女ー

 主婦の幸せを 感じるすみ子ー

 

新太郎劇場とのケイヤクを切られる

 職を失い どん底の生活ー

二人は… 海で身投げする

すみ子は救出される

 

 

 救われた彼女が 収容された所は 天使園であったー

 

新太郎も生きていた

すみ子は手紙を出そうして 天使園々主に見つかり諭される

"悔い改めよ 然らば 汝は許されん…

 汚らわしい男は 忘れるのです

 次の礼拝日に 人々の前で 懺悔なさい"

 

 やがて 日曜日の 教会の鐘は鳴り

 善良な 参礼者達が 天使園めざして 集まって来る

 信徒たちによって 埋め尽くされ 礼拝を終えた後…

園主すみ子に懺悔を促す

 すみ子は… 祭壇の十字架を 指差し 呻くように叫ぶ!

"神様が愛なんて! みんな嘘です!

 神様なんて 無い方がましです"

 すみ子は 聖書を 十字架に 投げつける…

 

 その夜更けー 天使園の 教会堂から 火の手が上がる

 老朽化した建物は またたく間に 炎に包まれる

 逃げ惑う人の叫び

 凄惨たる火事場に 髪を振り乱し

 狂気の如く 歓喜して 踊り廻っている すみ子ー

"焼けろ… 焼けろ みんな焼けちまえ!"

"みんな天国へ みんな地獄へ 逝っちまえ"

すみ子は逮捕される

 

 

 

   社会主義思想の影響を受けた「傾向映画」の代表作

   白黒無声映画

   大ヒットした

 

   その後フィルムは紛失するが

   60年近く経って

   1992年にロシアで見つかる

 

   見つかったフィルムは50分

   所々欠落 最初と最後は完全に欠落

 

   それを修復して

   字幕をつけ直して

   欠落部分は字幕で説明して

   79分の映画として

   1994年に再公開

 

 

 

   貧乏な家に育ち

   親が自殺し

   その後 散々苦労して

   放火して 逮捕されるまで

 

   何が彼女を放火させたか 

   資本主義の貧富の格差?

   彼女の忍耐心の欠如? 

   前世の悪業?

 

 

 

 

1930年 日本映画 79分