" Music Box "
監督 コスタ=ガヴラス
出演 ジェシカ・ラング *弁護士
アーミン・ミューラー=スタール *父 被告
フレデリック・フォレスト *検察官
ドナルド・モファット *元義父 弁護士
あらすじ、ネタバレ御免
ジェシカは美人のすご腕弁護士
*
ジェシカの父アーミンは
ハンガリーから米国に移住して37年
ハンガリー政府はアーミンを40年前の事件で
戦犯として引き渡しを米国に求める
フレデ検察官は アーミンの市民権剥奪が相応とし告訴
市民権が剥奪されれば
アーミンはハンガリーへ強制送還され絞首刑
アーミンは無罪を主張
ジェシカは父アーミンの弁護を引き受ける
元義父ドナルの弁護士事務所に移る
裁判の判事シルバはユダヤ人 大量虐殺の生き残り
アーミンの主張は
ハンガリーの難民キャンプにいた時
アメリカへ早く移民できるよう農民と嘘の申告をした
本当は警官だった
嘘の申告はしたが
ナチが実権を握った後は
オフィスで事務の仕事だけしていた
しかし
アーミンが事務職だったという証拠は残っていない
検察側の主張は
アーミンは 40年前 警官で特務部だった
特務部は ユダヤ人殺しが専門で
ナチの親衛隊に直結していた
ハンガリーでは600万人のユダヤ人が殺された
アーミンの署名と写真つきのID のコピーが
ハンガリー政府から提出されている
本人だと確認する 証人もいる
イリノイ北部法廷の審理開始
アメリカ vs アーミン
検察官フレデの冒頭陳述
争点は極めて単純
アーミンは 市民権申請に際し
虚偽の申請を行い 市民権を得ており
市民権は 剥奪されるべきである
アーミンが 隠蔽したのは
1944年後半から 1945年前半にかけ
ハンガリーの死刑執行隊(特務部)に属していた事実
弁護士ジェシカの反論
争点はアーミンが虚偽の申請を したか否かではない
共産党政府の弾圧をさけるため嘘はついた
反体制派は収容所送りか死刑だった
警官だったが特務部ではなく事務職だった
アーミンは不当に告発され無罪である
これは
アーミンの 5年前の反共的行動に対する
ハンガリー共産党政府の報復である
検察側が提出したIDはコピーであり
真偽は疑わしい
法廷 2日目
ハンガリー政府がIDの原本を司法省に提出した
鑑定に1週間が必要
目撃者の証言
ユダヤ人殺しの3人組の1人がアーミンだった
弁護士ジェシカの反対尋問
証人の息子は共産党員で
党から圧力がかかり偽証しているのでは
2人目の目撃者の証言
ユダヤ人殺しの1人がアーミンだった
殺されかけた
法廷 3日目
3人目の目撃者の証言
尋問センターで強制労働をさせられていた時
アーミンを見た
彼は最悪の男で みんなが おそれていた
ユダヤ人を殺すのを楽しんでいた
弁護士ジェシカの反対尋問は精彩を欠く
4人目の目撃者の証言
アーミンに強姦された
殺されかけた
ジェシカは反対尋問できない
アーミンは容疑を激しく否認
興奮して倒れる
鑑定の結果IDは真正だった
アーミンは お手上げ
元義父ドナルが助言
法廷
ジェシカは元KGBコストフを証人として召喚
2年前 米国に亡命するまで
社会主義国家を敵視する 西側在住者を
偽造文書を使って 破滅させる作戦に携わっていた
特務部のID偽造もしていた
その技術はハンガリーにも流した
検察側の新たな証人
入院中なので
判事シルバ 検察官フレデ 弁護士ジェシカは
ブタペストへ出張審問
ジェシカはドナルの良心的協力者の善意で
重要な情報を入手
証人は過去に問題の特務部の男を別の人だと2度証言している
証言は却下
よって
アーミンが戦犯である証拠は 不十分
判事シルバはアーミンの有罪立証不能と判断
検察官フレデに棄却を申し渡す
しかし
ジェシカは父アーミンの古い友人の遺品から
父が特務部だった頃の写真を見つける
父アーミンを問いただす
アーミンは開き直る
ジェシカは写真を
フレデ検察官に郵送する
フレデは証拠写真を公表
社会派法廷劇
過去の罪は
どこまで問うべきか
過去の罪は
どこまで償うべきか
時代と共に変わる
良心の基準を
どう処理すべきか
1989年 アメリカ映画 125分
ベルリン国際映画祭 金熊賞受賞
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