「 ニーゼと光のアトリエ 」 | 0・・映画toほげほげ

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  " NISE O CORAÇÃO DA LOUCURA "

                = 狂った心

監督 ホベルト・ベリネール

出演 グロリア・ピレス

 

 

 あらすじ、ネタバレ御免

 

 エンジェーニョ・ジ・デントロ地区、リオデジャネイロ、1944

鉄の塀の鉄の扉を叩く 女ニーゼ

 

 ***

精神科医ニーゼ・シルビア39歳は

国立精神医学センターに戻って来た

中は鍵の付いた鉄格子の扉で遮られる閉鎖病棟

 

 *

研修室では前頭葉白質切截術(ロボトミー手術)の講義

この手術は1935年にエガス・モリスが考案

  (彼はこの功績により1949にノーベル賞を受賞する)

 

手術の対象となるのは

被害妄想が強く非常に攻撃的な患者

手術では頭蓋骨両側に穴を開け 長いメスで前頭葉と

視床との間の神経線維を切断する

手術の効果は画期的

 

アメリカのウォルター・フリーマンはモリスに師事した後

経眼窩術式を考案(1945年)

アイスピック状の安価な器具で手術を可能にした

 

 

次は電気痙攣療法に関して

電気痙攣療法(電気ショック療法)は精神疾患の最先端の治療法

開発されたのは1938年

脳に通電して痙攣を誘発し 脳の機能を改善する

 

統合失調症の患者で実演

電極を側頭部に当て通電

患者は多少もがき苦しむが 痙攣は30秒から40秒で治る

効果は絶大

緊張型や急性期の失調症が改善される

アンペアは経験で決める 今回は30A

 

 

ニーゼは暴力的な治療に反対

看護師が運営する低予算の作業療法部門の責任者になる

 

作業療法で行うのは修理と掃除だけ

 

作業療法室は

ニーゼが離れた数年で ずいぶん荒れた

まずは掃除

 

患者を集めて観察

話を聞く

なるべく好きなようにさせる

 

 *

ニーゼの夫がカール・ユングの翻訳本を見つけて来る

 

 *

同僚アミールの提案により

患者に自由に絵を描かせる

 

ユングによると

身体と同じように 精神にも自然治癒力がある

 

ニーゼはユングに患者の絵の写真を送る

まるで曼荼羅のよう

 

 *

国内で屈指の美術評論家が患者の絵を高く評価

 

 *

絵は上手くなったが

病状が改善されたかは微妙

他の医師はニーゼの作業療法を疑問視

 

 *

ユングから返事の手紙が来る

ニーゼの作業療法と患者の作品を評価する

 

 *

規則で禁止されている犬を10匹以上飼い

患者に1人1匹づつ世話をさせる

 *

犬が全て殺される

自制を失った患者の1人が看護師に暴行

 *

電気痙攣療法(電気ショック療法)を受ける

 

 *

美術評論家の薦めで

病院外で患者の絵・彫刻の展覧会を開く

 

 

 

   

 

 

 

   アトリエというから画家の話かと思ったら

   精神科医の話だった

   精神病院の作業療法室のアトリエだった

 

 

   実在のブラジルの精神科医の試みを描く

 

 

 

     微かな無意識の叫びでも

     無視し続けると

     精神はやがて平穏を失う

 

 

 

   無意識の洞察に於いて

   ユングは最も優れた心理学者

           だと僕は思う(フロイトは間違ってた)

   ただ

   精神科医として優れていたかは解らない

 

 

   ユング心理学の特徴は

   集合的無意識と呼ばれる

   万人が共有する無意識を提唱したこと

 

   人は心の奥の奥で宇宙とさえ繋がっている

 

 

 

     日本では

     前頭葉白質切截術(ロボトミー手術)は

      1975年に廃止された

     日本でも

     電気痙攣療法(電気ショック療法)は   

      有効な治療法として現在も行われている

 

 

 

 

 

2016年 ブラジル映画 109分

 東京国際映画祭 グランプリ、最優秀女優賞受賞