" 羊の木 "
監督 吉田大八
原作 山上たつひこ
出演 錦戸亮
木村文乃
北村一輝
優香
市川実日子
水澤紳吾
田中泯
中村有志
安藤玉恵
細田善彦
松田龍平
その種子やがて芽吹き 子羊となる
羊にして植物
その血 蜜のように甘く
その肉 魚のように柔らかく
狼のみ それを貪る
海を望む富山県魚津市(人口４万)の市役所職員錦戸は 課長から
新規６人の転入の受け入れの担当を命じられる
６人の雇用先も住む所も決まっている
*
錦戸は
空港に優香を迎えに行く
服がカビ臭いとかで新しいのを買う
色っぽい？
錦戸は
最寄りの北陸新幹線に水澤を迎えに行く
２人の男に付き添われて来る
どこから来たかは言わない
何か おどおどしてる
錦戸は
最寄り在来線に迎えに実日子を行く
２人の女に付き添われて来る
ほとんど喋らない
錦戸は
田中を迎えにゆく
塀に囲まれた鉄格子の門から送り出される
オヤジの使いが迎えに来る 田中が追い返す
もろヤクザ だけど義理と人情には厚い？
*
錦戸は気がついた
４人とも刑務所帰り
さて
受刑者は税金で養われている
日本政府としては
問題の無さそうな受刑者はどんどん仮釈放して 経費を抑えたい
しかし 身元引受人がいないと 仮釈放は 認められない
そこで 今回 新たな試みとして
自治体が 住居と雇用を保証すればＯＫということに なった
しかも 刑期を大幅に短縮して
日本の未来がかかった画期的なブロジェクトは
10年の定住を約束させている
これは 過疎対策でもある
そこで 魚津市も 引き受けることになった
これは 市長からの直轄案件
仕事先や大家さんには 元受刑者だとは 伝えてない
知っているのは課長と錦戸だけ
*
錦戸は
北村を迎えに行く
10年我慢できるかな？
恐い？ 素直?
錦戸は
松田を迎えに行く
６人の中で 一番まともか？ な？
罪状は過剰防衛の傷害致死罪
過剰防衛なら普通は執行猶予がつくはずだけど
*
狭い市なのに 課長から錦戸に無理難題
６人とも
刑務所から魚津に来たのは 自分一人だけだと思ってる
警察も把握はしてない
６人が連んだら 何をしでかすか分からない
だから お互いが 接触しないように
*
千葉の総合病院に勤めていた文乃が 魚津市に戻って来た
錦戸とは同級生 錦戸はまだ未練がある
離婚したとの噂だが 本人曰く 結婚もしてない
*
実日子は清掃員になる
気になるあのモニュメントは何？(のろろ)
*
海岸で変死体が発見される
被害者は釣り客
暴行の痕があった？ 人殺し事件？
嬉しそうに現場を眺める北村
*
錦戸の後輩職員好奇心旺盛な細田は
錦戸の不自然な行動を怪しみ 課長のパソコンを盗み見
先輩 知らないんですか？ ６人とも 人殺しですよ
中村さんの床屋に勤めた水澤は酒乱
酒の席で 自分をいじめてた上司を ナイフで やっちゃった
玉恵さんのクリーニング店に勤めた田中は ヤクザで
抗争相手の組長を ワイヤーで絞め殺して 懲役18年の刑を受けた
釣具屋に勤めた北村は
暴行 傷害致死で懲役８年
実日子は酒乱のDVの付き合ってた男の頭を
寝てる隙に 一升瓶で叩き割った
優香は 夫の首を絞めて殺した
本人曰く 事故だったんです 好きだった夫はＭだったので
*
松田は宅配業者に勤務
気になる 子供たちの遊び のろろって何？
のろろは 化け物？ 守り神？
絶対 見ちゃいけない？
*
優香は通所介護施設に勤務 ご年配の方に発情？
この右半身不随の老人は 錦戸の父
*
清掃員実日子は浜辺を清掃中
"羊の木"の絵の描かれた缶のフタを拾う
*
魚津市では 明日の"のろろ祭"の準備が進む
昔の言い伝えでは
"のろろ"は海から来た邪悪なもの
村人が戦って 崖から海に突き落とし守り神になった
それから毎年 生贄として
選ばれた２人が 祭りの日に崖から同時に飛び込む
１人は助かり １人は沈み遺体も上がって来ない
*
お祭り当日は強風
錦戸の後輩職員能天気細田はお祭り担当
仮釈放の６人も全員お祭り会場に呼んだ
お祭りのクライマックスは のろろ様お迎えの儀・・・
仮釈放中の殺人犯６人が集まれば 何か起こるだろう
と 思うのは先入観？
実は 人情喜劇
の装いは中盤まで
終盤で やっぱり 何か起きる
罪を償っても
過去は消せない
遺族の恨みは消せない
罪を犯した人が
善良な国民が払った税金で
三度三度飯を食わせてもらって
それで 罪を償ったとは威張れない
最後はほのぼの
結局
いい人もいる 悪い人もいる
前科があっても なくっても
羊の木は
ほとんど関係ない かな
のろろ様 恐るるべし
富山の魚は きときと
2018年 日本映画 126分
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