「 シルバー・グローブ/銀の惑星 」 | 0・・映画toほげほげ

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♪ ほげほげたらたらほげたらポン ほげほげたらたらほげたらピー ♪
★映画のほげほげ等、気まぐれ備忘録★

  " NA SREBRNYM GLOBIE "

 

監督 アンジェイ・ズラウスキー

出演 トマシュ

   マルタ Iwona Bielska

   ピョートル

   イェジー

   トマシュ 二世

   アダ Elżbieta Karkoszka

   マレック

   マラフダ

   イヘザル Grażyna Dyląg

   イェレット

   ヤセク

   アザ Krystyna Janda

 

   ガイド Marka

 

 

 あらすじ、ネタバレ御免

 

  ***

 これは10年前に制作された映画の断片である

 2時間30分の物語だが 1/5が消失

 映像が消失したのは作品が葬られた1977年

 消失部分は撮り直しができないため

 どんなシーンだったか音声で説明する

 こうして「銀の惑星」は1987年 ついに完成した

 

雪積もる山の森を慎重に下る仮面部族の馬乗り

平地に出 馬を走らせる

仲間の住む古く朽ちかけた屋敷へ

階段を駆け上がり最上階で膝まづく

ベッドから立ち上がる2人の宇宙飛行士

馬乗りは荷物を差し出し手話で告げる

夜 雲の中から これが落ちてきた

そして朝 木の上で見つけた

 

これは50〜60年前

目標ステーションへ発射した通信モジュール

今落ちてくるはずはないが何故

2人はモジュールを持ち

ハッチから地下へ

 

 2人が入ったハッチの下には 研究室がある

 宇宙の音を聞くための装置が詰まった大きな部屋

 何十年も放置していた古い装置なら

 宇宙飛行士が馬乗りから受け取った

 落下物の中身が読み取れる

 それは日記というよりは

 撮影した光景が流れる連続した半透明な板

 最初に流れたのは宇宙船の旅

 操縦士が制御を失い 山に激突した

 残っていた映像は断片のみ

 

映像を見ている2人

 

宇宙船は破損

船長死亡

 

 

 コックピットを出ると

 周囲は山だけ 空気は呼吸に適さない

 彼らは船長の遺体をそこに置いたまま

 搭載されていたバギーで山を下りた

 宇宙飛行士の1人 トマシュは負傷した

 

 

 

 別のロケットが山に墜落し爆発した

 中にいた乗組員は 仲間か? 追ってか?

 そこは地球に酷似していた

 だから新天地として選ばれた

 海を目指して バギーは岩山を進む

 まるで かつて文明が栄えたかのような風景が広がる

 トマシュは高熱にうなされる

 

 

ヘルメットを外す

(マルタ)

船長が言った通り呼吸が出来る

 

宇宙飛行士A(ピョートル)

この星の放射線帯は どんな信号も通さない

落下している間 彼らが頭上にいた

波動が跳ね返ったから分かった

 

 

 夜が訪れると ハリケーンになった

 トマシュは死んだ

 死の直前 マルタは彼と二人きりに

 彼を愛する彼女は 体を張って彼を守った

 川の水かさが増して氾濫 大洪水が起きた

 

 

川に流される宇宙飛行士

沼地に打ち上げられる

 

 

トマシュを葬る

 

マルタ、宇宙飛行士A、Bは

着陸予定だった海岸に辿り着く

 

マルタは子供(トマシュ二世)を産んだ

この惑星では人は地球の2倍の速さで成長する

 

宇宙飛行士Bの名はイェジー

私はマルタピョートルからカメラを取り上げた

もう彼らは記録しそうにない

 

海岸が爆発? 隕石群?

宇宙飛行士Aピョートルは死亡

 

 

成長したトマシュ

 

マルタは何人も子を産み死亡

 

海岸の村の住人は百人を超える

老いたイェジーは太古の人と呼ばれる

 

マルタが産んだ最後の娘アダ

 

手に目を持つ炎に仕える女

 

トマシュ三世

 

トマシュ三世は海の向こうへ渡る

帰って来たトマシュ三世は

広大な開拓地を見つけた、と言う

ミツバチの巣箱のような都市だった

奴らは怪物だ

翼を持ち 真っ黒で

額の真ん中に目が1つある

我々人類を破滅させようと

空を飛び 私を追って来た

 

イェジーは村を去り来た道を戻る

 

 

 宇宙飛行士にも神にも見える装いのイェジー

 墜落したロケットに 辿り着いた

 船長の遺体は変わらぬ姿で横たわっていた

 イェジーは人類に起こった記録を

 回収した容器の中に収めると 

 宇宙に向けて標準を合わせ発射した

 

 この記録を見た 2人の飛行士が映ると

 画面は暗転し 音が消える

 年長の飛行士が 呆然とする後輩に言う

 "かつての地球に送らねば"

 後輩 "彼らの元へ行き 我々の生存を伝え 祝いましょう"

 後輩は "自分が何者か分からない"と泣いていた

 その時 彼らの頭上のハッチが開き

 トマシュと一緒にいた故人の女性が

 風と共に滑り込んできた

 次の一瞬 海岸が映る

 彼女は永遠に復活する存在

 彼女に続いて戦士が現れ 弓を構える 

 

 数年後

 イェジーが墜落した同じ場所に宇宙船が不時着

 機体は近代的で着地もスムーズ

 宇宙船から出てきた男マレック

 機体の上に置いたカメラに向かって話し始める

 "イェジーの記録にあった場所だ"

 人類を捜そうとした時 ヘッドホンに話し声が響く

 "私の代わりにアザを抱きしめてくれ"

 山を下り 息ができる平原へ行くと彼を待っていた人々がいた

 彼らは修道僧で 何世代もの間

 イェジーが上がり マレックが下りてきた聖なる山を

 見つめながら 彼の降臨を待っていた

 "おぞましい鳥人間シェルンの支配から"

 "人類を救う若き神が現れる" 

 と聖典に書かれていたから

 

 シェルンは冷酷な怪物で 海を渡り人類を奴隷化していた

 マレックは言う "救世主ではない 君たちと同じ人間だ"

 マレックを虜にしたのは 信仰ではなく

 彼の降臨で勃発した反乱
 敵軍にはシェルンと人間が交わって生まれた

 "モルト"と呼ばれる凶暴で頭の悪い生物が 

 しぶとく何度も戦っていた

 海辺での戦いの後 人類は地下へと追いやられる

 そこには 高僧マラフダが隠れていた

 

 

戦いで負傷したマレックと地下に隠れていた俳優

マレックを労わる女優(イヘザル?)

 

またシェルン現る

難なく倒すも シェルン・アヴィーは逃走

増援部隊を引き連れて戻って来るだろう

 

 

 マレックが高僧に相談すると

 若き戦士イェレットが愛する 高僧の娘イヘザル

 征服者への捧げものだと知る

 高僧は言う

 "シェルンと交渉したのは自分だ"

 高僧は疲れていた

 "あなたの降臨で現実が始まり"

 "信仰が失われつつある"

 

マレック

イェレット

手に目を持つ女(イヘザル)

 

マレックはシュルンを捕え殺し

イヘザルを捧げものにせず自分のものにする

 

マレックイヘザルの中へ入る

 

鳥人間の思念にとらわれそうになるマレックを

女優が助ける(イヘザル?)

 

マレックは救世主を演じる

マフラダだ異端者となりマレックを嘲笑

"主が消えれば平和が戻る"と

 

異端児 学者のローダは

地球など存在せず 太古の人もいないと

マレックは地下から追放された虫だと

 

イェレットは行進を先導している

 

マレックイヘザルの中へ入る

 

マレックは船に乗る

 

 穏やかな海の上 風が船を運んでいく

 船が岸へ着く前に通り過ぎた木の幹の上には

 不信心のため追放された俳優と学者ローダ

 学者はマレックに軽蔑を込め

 "お前は無だ 降臨などしていない"と

 アレックは答える

 "私が死んだら 山でロケットを探し"

 "中に入ってハッチを閉め 赤いボタンを押せ"と

 俳優が叫ぶ

 "私があなたの役を演じます"

 マレックが言う

 "酸素ヘルメットは ふもとの修道院だ"

 

マレックは海の向こうのシェルンの街を攻める

 

 

地上の管制室?

ヤセクマレックを呼ぶが応答なし

地上は仮面部族の村

 

ヤセクは荒野を車で走り草原の中の建物へ

 

 守衛が気をつけの姿勢で"ヤセク船長"と呼ぶ

 荒廃したホールにいる宇宙服を着た観客が

 歌うアザの姿に目を奪われていた

 音響は完璧

 突き当たりでアザが歌っている

 俳優が自分たちの自己愛を演じているような歌声

 "私が・・・私が"

 ヤセクは目を閉じると よろめいて走り出す

 

 

かつてマレックをが愛した女アザ

ヤセクマレックを追放した

 

 *

マレックは海の向こうのシェルン

教会の側廊に入る

 

 教会の側廊でマレックは 飾り戸棚を見ている

 引き出しの中には数百個ほどの同じ電球がある

 古いラジオの真空管のようだ

 それらはシェルンの3つ目の目だった

 彼は襲ってきたシェルンを射殺

 死体から滑り落ちた目が 床で動いている

 目の点滅が消えるとマレックはつぶやく

 "終わった"

 引き出しの中には数千ものシェルンの目と脳が並んでいた

 

側廊を出たマレックは寺院に入る

 

 寺院の壁にはフレスコ画

 崩れかけているが判別できる

 王座に座る威風堂々としたシェルンの絵

 世を征服し思い上がっていた頃

 高位のシェルンが更に上を目指した姿

 マレックが静かに言葉を発した

 "故郷へ 故郷へ・・・"

 

  *

草原を彷徨うアセクアザが車で追う

殺そうとするが止める

 

 

海岸で串刺しになった不信心者たち

マレックは帰って来た

多くを連れ去り 持ち帰ったのは わずか

マレックと共に戦ったイェレットも増援部隊と共に撤退した

 

アレックは快楽の病で変わり果てはイヘザルと会う

 

アレックの宇宙船が飛び立つのを修道僧が目撃したと

アレックは報告を受ける

 

 

アセクは仮面部族に導かれ海へ

民衆に弾圧されるアレックと出会う

イヘザルアレックを刺す

アレックは磔にされる

 

 彼の頭上ではアヴィーが

 油断なく皮肉を込めた目で 見下ろしていた

 アレックは彼に問いかけた

 "プログラムされた目を失って まだ考えられるのか?"

 アヴィー "誰がお前のプログラムを?"

 マレック "私は何者だ?"

 アヴィーは泥を十字架に塗りつけ こう答えた "お前はこれだ"

 アヴィーはヤセクに撃たれ オモチャのように落下した

 そして こう繰り返した

 "愛 愛 愛・・・"

 

アレックは息絶える

イヘザルアセク

 

 宇宙飛行士たちが カジノで遊んでいる

 ヤセクが通りかかる

 するとテレビの画面が点滅し

 マレックのロケットが映し出される

 カメラが

 酸素を分け合う学者ローダと俳優を映していた

 イェジーの遺体を通り過ぎ 2人はロケットの中へ

 カジノの支配人がヤセクにささやく

 "彼らがあなたを 捜しています"

 "ストライキ デモ 異端者の陰謀 彼らが・・・"

 バカラのテーブルには アザの服を着たイヘザル

 挑発的に笑ながら イセクを見ている

 取り巻きに囲まれて・・・

 するとヤセクの助手が画面に

 

船長ロケットの信号を感知した と報告

 

ロケットの中の学者ローダと俳優

ローダは地球へ行って謎を解き明かすと言う

 

助手は船長から かつての地球へ行かせろと指示を受ける

 

 ヤセクは画面に背を向け

 ゆっくりヒザをつくと 地面にうづくまる

 心臓発作で死にかけている

 宇宙飛行士たちは駆け寄り 心臓マッサージを施す

 だがムダだった

 カジノの片隅で 自分の死を見つめるイセク

 人々が蘇生に悪戦苦闘する中

 カジノを出る彼に 誰も目を向けない

 外は暗く 大草原には たき火が見えた

 たき火を囲むのは冒頭の部族 中には馬乗りもいる

 イヘザルのように 手に目が描かれた女性も 

 イセクが近づくと 彼女は腕を広げる

 カメラは彼女の影にズーム

 彼女の鼓動が聞こえる

 馬のひづめの音が遠ざかっていく

夜明け

騎手のいない馬が 大草原を全速力で駆けていく

 

 

 

   

 

 

 

   当時のポーランドは

   ソ連最大の衛星国であり

   ソ連の傀儡政権が言論統制を行っていた

 

   1977年春

   文化省のポーランド映画担当 国務次官の命令により

   本作の製作は中止へと追い込まれた

   セットや小道具や衣装など すべてのものは

   破壊された

   フィルムは没収された、、らしい

 

 

 

   ポーランド語のポーランド映画の邦題が

   何故かカタカナ英語

   シルバー・グローブなんて書くから

   銀の手袋かと思った


 

   1989年、ポーランドは民主化により共和国となった

 

 

   フィルムの1/5が消失して

   その部分はナレーションで補う

   と、冒頭に断りがあるが

 

   ナレーションの部分が

   金のかかりそうなシーンばかりで

   予算がなくて撮れなかったんじゃないの

   と、勘ぐりたくなる   

 

 

   それは さて置き

   かなり妖しい

 

   哲学的・神学的セリフを除外しても

   分からない

   彼らがいたのは何処?

   未来の地球?

   猿の惑星ならぬ

   三つ目鳥の惑星?

 

 

 

 

 

1989年 ポーランド映画 165分