" 虐殺器官 GENOCIDAL ORGAN "
監督 村瀬修功
原作 伊藤計劃
2015年 サラエボ
手製の核爆弾が爆発し街は消滅した
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2022年 ワシントン コロンビア特区
クラヴィス・シェパード大尉は
調査委員会の公聴会に呼ばれ
特殊検索群i分遣隊について
ジョン・ポールについて
回答を求められる
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2020年 ジョージア (原作第一部)
焚き火の男を3人殺害
クラヴィスらは殺した3人になりすまし検問を通過
標的Aを発見
元准将、「暫定政府」の「国防大臣」
標的Bを探す
彼は既にいない
ジョージアは内乱状態
暫定政府も反暫定政府もテロの応酬
2年前は平和だったのに
アレックスが命令に反し標的Aを射殺
シェパード大尉がアレックスを射殺
(原作ではアレックスはアメリカに帰国後自殺)
***
3週間後(原作第二部)
アメリカ政府は
ジョージア暫定政府の国防大臣の死について
関与を公式に否定
9.11に2つの塔を失って以降
世界は個人情報管理体制を強化した
アメリカでのテロは激減した
しかし世界のありとあらゆる場所で
内戦と民族紛争が立て続けに起こった
どうやら世界は発狂しようと決意したようだ
シェパード大尉とウィリアムズはペンタゴンに呼ばれる
(原作ではジョージアから2年後)
国家などのイメージ戦略をコーディネートする会社の
やり手コーディーネーターのジョン・ポール
彼が関わった国は急成長を遂げるが
やがて、虐殺・内戦が始まる
ジョージアの標的Bもジョンポールだった
CIAはジョン・ポールが
チェコ共和国のプラハで
ルツィア・シュクロウプと接触したと情報を得た
ジョン・ポールの妻子は
サラエボで核爆発に巻き込まれ死亡した
そのときジョン・ポールは
ルツィア・シュクロウプと浮気していた
*
シェパード大尉とウィリアムズは
プラハへ飛び
ルツィア・シュクロウプをと接触
彼女はチェコ語の個人教師
アメリカMITに留学していた
言語が人間の行動に いかに影響を及ぼすか
そんな研究をしていた
DNAには生得的な文生成機能が刻まれている
脳は予め文を生成する仕組みを持つ器官である
彼女は
MITでジョン・ポールと知り合った
彼は国防総省の言語プロジェクトに関わっていた・・・
原作者 伊藤計劃は姉貴のお気に入り
読めと言われて
デビュー作の「 虐殺器官 」だけは読んだ
明確な近未来SF
時代設定はサラエボの爆弾テロを含め
近未来に設定すべきだったのでは
(原作では明確な年は記載されていない)
原作は5部構成、文庫で396ベージ
各部の冒頭に
母の死を悔やむ幻覚的な描写がある
時代背景や
未来機器の説明描写など
迫真のディーテールが特徴
グルジアは
2015年に改名されたので
映画製作時はジョージア
なぜ旧名を使ったのか?
(原作では某国と記載)
原作では
伊藤計劃が映画好きらしく
映画の題名などが
所々に見られ
例えなどに使われる
せっかくの劇場公開アニメ
くすぐりに
会話の中に過去の映画を登場させたら良かったのに
ディーテル描写が細かいので
前半、読むのに苦労したが
終盤から結末は
なるほど、と納得
すごく言いたい、書きたい
けど、我慢
なので内容の核心は書けないが
主役は仲間がミスをしたとて
その場で撃ち殺すような人ではない
内向的な部分も多い小説なので
映像化が難しいのかもしれないが
不気味な形状の飛行機とか
降下ポットとか
もっと映像的に面白くなる要素はあったはず
映画には原作のエピローグが
欠落している
伊藤計劃は
この小説を書いた2006年には
既に闘病生活をしており
(あまり長く生きられないと知りつつ)
2009年に34歳で他界した
2017年 日本アニメ 115分
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