" TIGERS "
監督 ダニス・タノヴィッチ
出演 ギータンジャリ
ダニー・ヒューストン
マリアム・ダボ
〔実話を基に〕
***
プロデューサーのオフィス、ロンドン 2006
プロデューサーのダニーはネットでサイヤドと話す
サイヤドの体験を映画にしたい
だが巨大企業を敵に回す内容
そこで制作会社の弁護士とリスクの有無を検討する
サイヤドの話が立証でき次第 撮影に入りたい
サイヤドが事の発端から話す
*
*
パキスタン・イスラム共和国 1994
サイヤドはギータンジャリと結婚
サイヤドは国内製薬会社のセールスマン
医者を相手に薬を売っていたが
国外企業の薬に押されて売り上げ激減
安くても国内の薬は信用されない
サイヤドは解雇される
就活
スイスを拠点とするネスレ社に
営業職で雇用される
ネスレ社では営業マンを
顧客を狩るハンターとしてタイガーと呼ぶ
サイヤドが売る主力商品は粉ミルク
患者の多い病院の産科医がターゲット
成功の秘訣は賄賂・ヨイショ・付け届け
ネスル社の待遇は良く
サイヤドの営業成績もいい
新規開拓の時期到来
商店やガススタンドに営業範囲を広げる
2年後
清潔な水が手に入らない地域に於いて
粉ミルクの使用により
乳児が感染し死亡する事例が多発する
サイヤドはネスル社を辞め
ネスル社に賠償金を要求する
人権組織のマリアムに協力を求める・・・
ネスル社を告発した
元社員を描く
ネスレ社は
日本でもインスタントコーヒーなどで有名
粉ミルクに罪はない
ネスレの商品そのものにも問題はない
母乳が出ない母親が
代用に適正に粉ミルクを使用するなら
何ら問題はない
問題になったのは
母乳より粉ミルクの方が乳児にいい
という間違った宣伝と使用の奨励と
この宣伝と奨励は今も続いている
顧客への衛生管理注意を怠ったこと
粉ミルクに対する最初の告発は1939年
その後
1960年代
多くの会社が発展途上国で粉ミルク販売を開始
1970年代半ば
粉ミルク問題が国際化
◯ 母親の母乳分泌が不活発になる。
◯ 経済力に乏しい家庭において、過度に薄めて与え、
乳児の深刻な栄養欠乏がおこる。
◯ 衛生状態の悪い環境、不潔な水によって作られ
乳児の病気が多発する。
1977年
ネスレ社商品の不買運動が起きる
1981年
WHOが
「母乳代用品の販売流通に関する国際基準」を採択
製造業者ならびに流通業者への義務
◯ 母乳育児の優位性についての明記
◯ どのような場合に必要かということ、及び適正な使用法についての助言を保健医療従事者から 受けた場合のみに使
用するべきであるという記載
◯ 適切な調乳のための説明書と、不適切な調乳による健康被害に関する警告 、など
1984年
ネスレ社がWHO基準の受け入れを表明
しかし、1988年
ネスレ社がWHO基準を守っていないとして
再び不買運動が起こり現在も終息していない
映画をだけでは
他社と比較できないので
ネスレ社だけを責めるのは
可哀想にも思えるるが
ネスレ社は粉ミルクの
発展途上国でのシェアが1位で
強引な販売戦略でその地位を獲得したこともあり
ボイコットの標的になった。。らしい
2014年 インド/UK映画 93分
・
AD