" EL LABERINTO DEL FAUUNO "
ファウヌスの迷宮
監督 ギレルモ・デル・トロ
撮影 ギレルモ・ナヴァロ
美術 エウヘニオ・カバイェーロ
出演 セルジ・ロペス
イヴァナ・バケロ
ダグ・ジョーンズ
スペイン,1944
内戦は終わった
しかし抵抗勢力ははまだ
山中に隠れ
新ファシスト政権と戦っている
息の根をとめようともがきながら
苦しげに息をし
血を流し地面に横たわるイヴァナ
昔むかし 遥か昔
嘘や苦痛のない魔法の王国が
地面の下にあった
その王国のお姫様は
人間の世界を夢見ていた
澄んだ青い空や
そよ風や太陽を見たいと願っていた
そして ある日
従者の目を逃れ
お姫様は逃げ出した
でも 地上に出た瞬間 光に目がくらみ
すべての記憶を失った
自分が誰か どこから来たかも忘れ
寒さや病や痛みに耐えながら
やがて お姫様は死んだ
だが 父王は信じていた
お姫様の魂が いつか必ず
別の肉体に宿り
別の時代に戻ってくることを
車で山中に向かう
おとぎ話の本が好きな少女イヴァナ
と、臨月の彼女の母カルメン
山中の駐屯地で
カルメンの再婚相手セルジ大尉が出迎える
セルジ大尉はイヴァナに冷たい
セルジ大尉の目下の役目は
山中に潜む反政府ゲリラの殲滅
セルジは冷酷で無慈悲
新しい地で心細いイヴァナは
森で見つけたバッタもどきと友達になる
バッタもどきは妖精に変身し
イヴァナを駐屯地の隣の
大昔からある迷宮に導く
迷宮の奥には
地下へ続く長い石の螺旋階段があって
イヴァナは階段が尽きる地の底で
迷宮の守護神ファウヌスに出会う
彼は山であり森であり大地である
彼はイヴァナを
地下の王国を治める国王の姫君だと言い
自分は姫君のしもべだと言う
でも
地下の王国に帰るには
かつての姫君のままかどうか確かめるため
満月の夜が訪れる前に
3つの試練に耐えなければならない
イヴァナは
"道を標す本"を渡される
セルジは
山中の半政府ゲリラを探す
身近に裏切り者がいるかもしれない
イヴァナには
第1の試練が与えられる・・・
スペイン語のメキシコ映画の邦題を
カタカナ英語にしちゃダメ
英題は"パンの迷宮"で
"パン"はギリシャ神話に登場する神
同じ神がローマ神話に登場し
"ファウヌス"と呼ばれ
映画でもファウヌスと言ってる
出だしが暗くて
そのまま最後まで暗い
ファンタジー部分は少ない
厳しく現実の描写がほとんど
それに比べれば
ファウヌスから受ける試練は
軽い軽い
その部分が現実か
少女の描く空想かは
見る人次第
この世は夢
夢は現実
厳しい現実を
どうしよう
2006年 メキシコ/スペイン映画 119分 製作費1,900万ドル
全米批評家協会賞 作品賞受賞
サターン賞 インターナル映画賞受賞
アカデミー賞 撮影賞、美術賞、メイクアップ賞受賞
NY批評家協会賞 撮影賞受賞
LA批評家協会賞 美術賞受賞
インディペンデント・スピリット賞 撮影賞受賞
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